特別企画」カテゴリーアーカイブ

【ニコ生イベント】小林哲也『ベンヤミンにおける「純化」の思考』から考える

 
京都アカデメイア会員 小林哲也さんの新著 『ベンヤミンにおける「純化」の思考』の出版を記念してニコニコ生放送にて特別イベントを開催します。
 
ベンヤミンチラシ
 
芸術批評、都市論、言語論、歴史哲学、法と暴力の理論など多様な作品を残し、現在の思想・哲学に多大な影響を与えてきた思想家 ヴァルター・ベンヤミン。一つの理論体系に収斂することを拒絶するかのような彼の作品群は今もって様々な謎や魅力的な輝きに満ちています。   

『ベンヤミンにおける「純化」の思考』は、「純粋さ」と「純化」をキーワードにしてベンヤミンの新たな解釈を呈示する思想史研究です。
放送ではベンヤミンの思想や同時代の社会や思想家との応答について掘り下げながら、現代社会を考えるヒントについても探ります。/大窪善人

日時:2015年12月13日(日)16:00~17:30
出演:小林哲也氏、大窪善人(司会)

ゲスト・プロフィール:こばやし てつや 1981年、北海道札幌市に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。専攻、ドイツ文学・思想。現在、京都大学非常勤講師(著者紹介より)

放送はニコニコ生放送 京アカチャンネルにて行います。
ぜひご覧ください。

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鉄板classe vol.1『あさりが教えるボクらの未来』を開催しました

 
7月11日、鉄板classe(テッパン・クラッセ)inおっとうvol.1『あさりが教えるボクらの未来』を開催しました。

今回は「夜ごはんのついでに学べる時間をつくろう」をコンセプトに、トークやディスカッションだけではなくディナーも楽しんでいただくという、いつもとはかなり趣の異なるイベントとなりました。

会場は、大阪市営地下鉄谷町線、中崎町駅から徒歩すぐの鉄板焼「おっとう」さん。京都アカデメイアが遂に大阪に殴り込みです!

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第1回のテーマは「あさり」。

あさりの話?

あの、貝のあさり?

どういうこと?一体、何が始まるの?

こんな疑問が渦巻く中、それでもたくさんの方にご来場いただいた結果、最終的には何と定員を少しオーバーすることに!参加してくださった皆様、本当にありがとうございました!

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講演は三部構成でした。最初のコーナーでは、池波正太郎の時代小説を話の枕にして、江戸前の代表的な食材だったあさりの産地が現在に至るまでにどのように変遷していったのかを追いました。その過程で日本の近現代史が少し透けて見える場面も。

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続いては和辻哲郎の名著『風土』をきっかけに、「日本のあさり」が海を渡ってイタリアなど海外の様々な国で食べられ、そして養殖されている現状を紹介しました。和辻が「死の海」と呼んだ地中海では、何と日本国内よりも多くの「日本のあさり」が育てられているという衝撃の事実が明かされます。

そして最後に、あさりの「産地偽装」にまつわる隠れたトリックや生態系の破壊に話が及び、食のグローバル化の中で気づかないうちに静かに起こっていた問題とは何なのか、そして私たちはその問題をどのように捉える必要があるのかについて解説しました。

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講演後には質疑応答とディスカッションも活発に行われ、参加者の皆様にはありふれた食べ物であるあさりを通じて社会を考える意外さと面白さを堪能していただけた様子でした。

講演終了後は「おっとう」さんが自信をもって用意した特別なコース料理を皆様に楽しんでいただきました。もちろん、今回の主役であるあさりもワイン蒸しとしてテーブルに。永遠に食べられるんじゃないかと思うくらい身が厚くておいしいあさりでした(ただ食いしん坊なだけ)!
あさり

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そして、ディナーと並行しつつ、今回のもう一つの企画が開催されました。「今日の講演内容がちゃんと理解できているか復習する」という名目で大喜利に答えてもらう、その名も「復習大喜利」です!「(池波正太郎の写真を見せて)この人は誰でしょう?」「日本のあさりと西洋あさりの違いは?」など、次々出されるお題に対して、大喜利参加者の皆様は見事なまでに「ちゃんと理解できていない」答えを繰り出す展開に。異様な熱気に包まれて、もしかしたら本編より盛り上がっていたのではないでしょうか?こちらとしては嬉しいような悲しいような・・・。

とにかく異例の内容づくしだった「鉄板classe」。今後も様々なテーマで皆様と楽しく議論できるイベントにしていこうと思いますので、ご意見、ご感想、ご要望などございましたら、京都アカデメイアまで是非お寄せください。お待ちしております。

中島啓勝

<関連サイト>
鉄板焼おっとう/Facebook

 

5月23日 会員出版記念イベント番組を放送しました

 
5月23日(土)、ニコニコ生放送にて京都アカデメイア会員の著書出版を記念してイベント番組を放送しました。

出演:
船越克真氏(ゲスト)
大窪善人(司会)

船越克真: 1966年京都市生まれ。京都教育大学大学院を経て少年院の法務教官・小中高特別支援­学校の講師を経験、現在非行・不登校・自傷行為などの相談を受け付ける船越教育相談室­を開設。親御さんやお子さんの相談を受けている。教育学修士。思春期男女2人を含む3­児の父。

船越克真,『少年院の先生が教える~思春期の子育て お悩み解決本~』
アマゾンにて販売中! http://www.amazon.co.jp/%E5%85%83%E5%…

船越教育相談室 http://funakoshikyouiku.jp/policy.html
 

5月23日 会員出版記念イベント番組を放送します

 
5月23日(土)、ニコニコ生放送にて京都アカデメイア会員の著書出版を記念してイベント番組を放送します。

船越克真,『少年院の先生が教える~思春期の子育て お悩み解決本~』
ダウンロード
 

どうしてうちの子はこうなの?思春期って難しい!!今の若いものは・・・そう思っていませんか?思春期の教育に長年携わった「思春期のプロ」が教える思春期子育てのバイブルです。思春期の子育てにお悩みの方、思春期に興味がある方におすすめです。

著者について
1966年京都市生まれ。京都教育大学大学院を経て少年院の法務教官・小中高特別支援学校の講師を経験、現在非行・不登校・自傷行為などの相談を受け付ける船越教育相談室を開設。親御さんやお子さんの相談を受けている。教育学修士。思春期男女2人を含む3児の父。(Amazon.com 商品説明より)

 
日時:2015年5月23日(土)17:00~18:00
出演:船越克真氏、大窪善人(司会)
出演者のプロフィールはこちらをご覧ください。
船越教育相談室  http://funakoshikyouiku.jp/policy.html

放送URLはこちらです 出版記念放送『少年院の先生が教える~思春期の子育て お悩み解決本~』

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「2015センター試験を一人で全科目解いてみた」をYouTubeにアップしました

「2015センター試験を一人で全科目解いてみた」という無謀な企画を予定通りやり遂げました。その8時間の生放送をYouTubeにアップしたのでお知らせします。

英語はいいとして、他の科目は微妙な点数ですが、考え方や粘りは見せれたと思います。

「2015センター試験を一人で全科目解いてみた」生放送します

浅野です。

 

この週末に行われる2015センター試験を、翌日の月曜日に一人で生放送しながら全科目解いてみようという企画です。ろくに解けない科目もあるでしょうが、楽しむつもりです。

 

2015年1月19日(月)
15:00〜16:00 倫理・政治経済
16:15〜17:35 国語
17:50〜19:10 英語
19:25〜20:25 数学1A
20:40〜21:40 数学2B
21:55〜22:55 地学

 

放送URLはこちらです。
http://ch.nicovideo.jp/kyoaca

 

イベント「大学改革、どうしてこうなった!?―「京大騒動」から見る大学のいま」のご報告

遅くなりましたが、先月に行ったイベント「大学改革、どうしてこうなった!?―「京大騒動」から見る大学のいま」のご報告です。

当日の参加者は約15名ほど。
京大生を中心に、他の大学の学生や社会人の方などさまざまな方にご参加いただきました。
まず主催者の安達・渡邉・百木から大学改革の現状や大学の歴史についてのプレゼンを行い(第一部)、その後に参加者全体でフリーディスカッション(第二部)、という段取りでした。前半のプレゼンも好評をいただき、後半の議論も活発に盛り上がって、良い雰囲気だったのではないかと思います。
初めてGACCOHさんのレンタルスペースでイベントをさせて頂いたのですが、あの場もそれぞれに活発に発言をしやすい雰囲気作りに合っていたのではと感じました。

プレゼンの内容についても簡単に紹介しておきます。
まず安達千李くんからは、ここ数年の京都大学の大学改革の進み方についてのプレゼンがありました。
国際高等教育院、思修館、教養科目の半数を英語化、5年間で外国人教員を100人雇用、大学入試改革(「意欲枠」の導入)、学域学系制度、など軽く列挙するだけでも、いま京都大学がかなり大がかりな大学改革を進めようとしていることが分かります。またそれぞれの改革について、反対の声も挙げられてきたことも指摘されていました。

つぎに渡邉浩一さんからは、ここ数十年間での文科省の大学改革方針を振り返るというプレゼンがありました。
教育基本法や学校教育法、大学設置基準など、大学にかんする法律関係の基礎知識についての解説があり、それを踏まえたうえで、大学の独立行政法人化後にどのように大学「改革」への圧力が強まってきたのか、という説明がありました。普段あまりこのような大学設置に関する法律などに触れる機会がなかったので、個人的にも勉強になりました。

最後に私、百木漠からは、中世ヨーロッパの大学発祥から近現代へといたる大学の変遷についてのプレゼンをしました。
吉見俊哉『大学とはなにか』(岩波新書)を手がかりにしながら、12~13世紀にヨーロッパで誕生した大学が16~17世紀にはいちど衰退期を迎えていたこと、それが19~20世紀にいおいて国民国家の勃興とともに再び隆盛期を迎えてきたこと、について説明しました。そのうえで、現代ではインターネットという新たなメディアの誕生とともに、もしかすると「第二の死」を迎えつつあるのではないか?という仮説を提示しました。

第二部のフリーディスカッションでは、「人物重視」の大学入試制度(AO入試)は許容しうるか否か、欧米の大学と日本の大学の違い、大学外での学びの可能性、今後の大学のあり方、などについて幅広く意見がでました。参加者全員がそれぞれの立場から発言をして、良い感じに盛り上がったように思います。
他方で、大学改革をめぐる議論はあまりに論点が多すぎて、やや議論が拡散してしまい、それぞれの論点を深堀りしていくのが難しいところもあるな、と感じました。とはいえ、議論に広がりが出るのは良いことで、今後もまた何からのかたちでこのような大学改革について考えるイベントを開催していきたいなと感じました。

GACCOHさんのご好意で、21時すぎにイベントが終了したのちは会場でそのまま懇親会に突入し、その後もそれぞれのグループで議論に花が咲いていました。大学の中ではなかなかこのように様々な年代や立場の人がひとつのテーマについて自由闊達に議論を交わすということは起こりにくいので、京都アカデメイアやGACCOHが協力して、今後もこのような議論と学びのための「場」を提供していけたら良いな、と改めて感じた次第です。

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アカデメイア相談室第2回「労働問題総論」の報告

アカデメイア相談室第2回「労働問題総論」の報告をします。

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うまく見られないときはこちらから。

発表資料

第1部 法律に関する資格、法律の基礎

    • 登記や供託とは何か
    • 労働法は特別法であって一般法である民法よりも優先される
    • 民事訴訟の証拠上は署名も押印も同等である
    • 逮捕されてから起訴されるかどうかが決まるまでは最大23日間である
    • 行政に形式の整った書類を提出すると正式な返事がなされなければならない(受理しないということはできない)
    • 労働組合の正当な活動は刑事上も民事上も免責される
    • 試用期間中の人や失業中の人でも労働組合に加入(結成)できる

 

第2部 労働問題の実践的な知識

    • 正社員、アルバイト、パートの違い
    • 社会保険完備とは
    • 労働組合とユニオン
    • ストライキの意外な使い方
    • アルバイトやパートでも有給休暇を取得できる
    • (職場の)健康保険では病気やケガで働けない時に賃金の3分の2が補償される(傷病手当金)
    • 不注意で事故を起こしたりしても会社が損害賠償をしなければならず、その負担を従業員がしなくてもよい場合がある
    • 解雇と雇い止め
    • 労働者からの退職のしかた
    • 雇用によらない生き方

 

第3部 学問的な考察

    • 家族賃金モデル(賃金は能力や仕事ぶりの反映ではない)
    • メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用
    • 労働と承認
    • 史的唯物論

 

それぞれ専門家からしたら当たり前のことばかりですが、そうした当たり前のことを幅広く知ってもらうのがこのイベントの趣旨です。

「ためになった」、「おかしいと思っていたことにこれからは反論できるようになった」といった感想が聞かれました。そしてここから次回のテーマも見えてきたので、これからもよろしくお願いいたします。

アカデメイア相談室第2回「労働問題総論」開催のお知らせ

アカデメイア相談室第2回「労働問題総論」を下記の要領で開催いたします。前回は参加者が少ないながらも熱を帯びたやり取りが交わされました(アカデメイア相談室 第1回 「くらしの法律相談~消費者 労働問題」の報告)。タブーなしで何でも率直に議論いたします。ぜひ当日お越しください。

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<日時・場所>
日時:2013年11月4日(月・祝)18時30分~20時30分
場所:ひと・まち交流館 京都 第5会議室(京阪電車「清水五条」下車 徒歩8分、市バス「河原町正面」下車スグ)
*参加無料
*相談大歓迎(事前に、あるいは当日寄せられた相談に可能な限り答えます)

<内容>
労働問題について、法律、現場の知恵、学問的な見地から総合的に考えます。前半は担当者が発表を行います。http://www.ustream.tv/channel/kyoacaでUstream中継もする予定です。後半は当日参加者でフリーディスカッションをします。素朴な疑問も大歓迎です。
アカデメイア相談室第2回「労働問題総論」|イベント情報|京都アカデメイアに発表資料を載せました。

<担当者紹介>
浅野直樹(京都アカデメイア)
行政書士、社会保険労務士有資格者。大学院で社会学や哲学・思想系の研究を行い、労働問題の現場経験を積みながら、現在は法律の学習に力を入れています。浅野直樹の学習日記

当日は16時~18時に京都アカデメイアの11月作戦会議も行います。正会員(になるかもしれない人)はどうぞご参加ください。16時にひと・まち交流館 京都1階正面入口に集合です。

京アカUstream” カピバクさんに聞いてみよう!”第5回の収録・生配信を行いました

テーマ:就職しない働き方は可能か?


(うまく表示されない場合はコチラから)

出演:
カピバクさん(百木漠)
浅野直樹/ゲスト

話題一覧:
・ゲスト・自己紹介、就職活動経験談
・「就活か進学か」という二項対立―第三の道はないのか?
・自営業という選択肢はなぜなくなったのか
・IT長者、「ホリエモン・スタイル」からつながりと充足の「社会的起業」へ
・欧州の「自営業ルネサンス」と日本での自営業、起業の衰退傾向
・スーパーマーケット化の問題とは何か?
・キーワードは「意思決定への参与」
・「起業か留学か」という選択肢の不毛
・会社に参加するということ―「労働」と「交渉」
・組合と法人はどこがが違うのか―「ブドウ」と「メロン」
・ワーカーズ・コレクティブとは
・起業=IT、シリコン・バレーという幻想
・現代において「職人」的労働はいかにして可能か
・アカデミック・ポスト問題と教養見直しブームとのマッチング
・働く=お金を貰うことなのか?
・まとめ

今回は、京アカ・スタッフでもある浅野直樹さんをゲストに、「就職しない働き方」について話しました。いまや就職や雇用についての話題が新聞やテレビなどにのぼらない日はありません。大学や学生一人ひとりにとっても、どの会社で、どうやって働くのかは大きな関心事となっています。しかし、多くの人がもっている「就職」のイメージの中身は、じつは「就社」であって、それは働き方のひとつに過ぎないのではないでしょうか。ほんの50年ほど前の日本では、多くの人が農業や漁業、自営商店などの雇用されない働き方をしていました。なぜ今では「就社」する以外の選択肢は消えてしまったのでしょうか。今回はそうした問題について、浅野さんの個人史、経験を交えながら議論を深めました。キーワードは「意思決定への参与」です。浅野さんによれば、会社で働く場合でも、参加には「労働」のほかにもう一つ「交渉」という方法が重要であるといいます。
また、個人的に印象深かった話は、「身近な場所から良くしていこう」という発想です。インターネットの発達により大量の情報を手軽に入手できる一方で、社会が流動化し不安定になると、ついつい抽象的で極端な発想に結びつきがちです。起業や留学などにチャレンジすることは、もちろん立派かもしれませんが、それは、目の前の現実や問題から逃れるためであってはいけないでしょう。何のために働くのか、その根本を考えておくことの大切さを学びました。

お知らせ:いつも「カピバクさんに聞いてみよう!」をご覧いただき、ありがとうございます。当番組は今回をもちまして終了となりました。次回から番組名を「京アカustream MOチャンネル」に変更してお送りいたします。内容はこれまで以上に充実した番組作りを心がけてまいりますので、ご声援よろしくお願いいたします。

大窪善人