月別アーカイブ: 2014年4月

「京都アカデメイア塾」はじめました。

京都アカデメイアではこの4月から新しく「京都アカデメイア塾」をはじめました。

京都アカデメイア塾は「大人のための教養塾」です。
大学や学校を卒業したけれども、勉強を続けたい、改めて教養を学び直したい、という人のために京都アカデメイアのメンバーがマン・ツー・マンの授業を提供します。

これまで京都アカデメイアは無料でのイベントやインターネット放送を中心に活動してきましたが、それらのリクエストに応え、京都アカデメイアのメンバーが市井の人々にそれぞれがもっている知識や技術を分け与えるかたちで授業をおこなう塾を開いてはどうか、という話になりました。NPO法人京都アカデメイアとしては、これからも無料イベントを活動の軸としながら、副次的に「京都アカデメイア塾」も展開していければと考えています。無料か有料かという違いはありますが、どちらにしても、大学や学校の外での「学び」の機会を広げていきたいという思いは変わりません。京都アカデメイアのメンバー自身もまた、日々勉強や研究を続けている身ではありますが、「勉強をしたい・学びたい」という意欲をもった方に対して、われわれが何らかのかたちでお手伝いをできれば幸いです。

指導科目はこちら
京都アカデメイアらしく、多種多様な授業内容になっているかと思います。
できるだけ臨機応変に対応いたしますので、ご興味もたれた方はお気軽にご連絡ください。
受講料などはこちら

京都アカデメイア塾は固定したスペースを持っておりませんが、喫茶店、レンタルスペース、お家にお邪魔して、スカイプを通じてなど、柔軟なノマドスタイルで授業を行わせていただきます。そのぶん固定費がかからず、比較的に安価な授業料でのマン・ツー・マン授業を提供します。授業回数や授業の時間帯などにも臨機応変に対応します。京都アカデメイア塾の生徒を募集すると同時に、われわれ京都アカデメイア(塾)の理念に賛同し、ともに活動してくださる方、賛助してくださる方、講師に加わっていただける方も同時に募集をしておりますので、どうぞよろしくお願いします。関心をもたれた方はお気軽にご連絡ください。

(文責:百木)

批評鍋 放送しました

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4月26日(土)、第9回批評鍋を放送しました。
テーマ本は北条かや、『キャバ嬢の社会学』
キャバクラの社会調査ってどうやって行ったのか、プロであり素人でもあるキャバ嬢の魅力のヒミツから、キャバ嬢の観察から見えてくる現代日本の社会像まで、著者の北条かやさんに電話をお繋ぎしてこちらからの疑問質問にもお答えいただきました。

本番では放送機材のトラブルもあり、お聞き苦しい場面がございました。
近日中に当日の録画とテキストを公開する予定です。当ブログでもご案内しますので、ぜひご覧ください。

大窪善人

批評鍋 第9回 『キャバ嬢の社会学』 

大窪です。
4月26日(土)午後8時から批評鍋の放送が決定しました!
今回取り上げるのは、北条かやさんの 『キャバ嬢の社会学』です。

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著者の北条かやさんは、京都大学大学院 文学研究科出身で、本書は修士論文を書籍化した作品です。それまでキャバクラにはまったく縁がなかった著者が、自らキャバクラ嬢に扮し参与観察によって、キャバクラ嬢と彼女たちをとりまく世界の実態を独自の視点から明らかにするフィールド・ワークの記録です。

放送時間:2014年4月26日(土)午後8時~
ustアドレス 
http://www.ustream.tv/channel/kyoaca

今回は著者の北条さんがスカイプで特別出演します!

北条かや氏プロフィール: 著述家。1986年、石川県金沢市生まれ。「BLOGOS」はじめ複数のメディアに、社会系・経済系の記事を寄稿する。19歳の時、大澤真幸『身体の比較社会学〈1〉・〈2〉』を読み衝撃を受け、以後社会学に没頭。同志社大学社会学部を出たのち、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。キャバ嬢のことを「女を売りにする人たちであり、自分とは違う」と考えていたが、「差別してるだけなんじゃない?」という先輩の一言に心打たれ、一念発起。自らキャバクラで働き、調査を行った。同時期に始めたブログ「コスプレで女やってますけど」は、月間10万PVの人気を誇る。(http://ji-sedai.jp/ より)
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いつもどおりustreamでコメントも受付けます。
ぜひご覧ください。

京都アカデメイア塾開校!

2014/04/04

こんにちは、京都アカデメイア(京アカ)の大窪です。
この4月から京アカで塾を始めることになりました。その名もズバリ「京都アカデメイア塾」。そのままですね。でも、塾と言っても受験対策とか学習塾ではなく、大人のための「教養塾」です。では、学習塾と何が違うのか。

教養塾をつくるきっかけ

京アカでは毎月、公開の読書会やディスカッションイベントなどを開催していて、学生から主婦、年配の方まで参加いただいているのですが、イベントが終わったあとに参加者からこんな声をいただくことがありました。今日話し合った話題についてもっと詳しく知りたい、ぜひ教えてもらいたい、と。こちらとしては非常にありがたいのですが、うちは小さな団体だからボランティアでやるのはたいへんだ。また、実はこうしたニーズは他にもあるかもしれない。どうしよう、何かいい方法はないものか…。そこで行き着いた結論が塾をつくることでした。

先月何冊本を読みましたか

学校を卒業して一度社会に出てしまうとなかなか学問や教養を学ぶ機会はありません。他方で、知識の方はというと日進月歩でどんどん更新されています。「え、でも本を読めばいいじゃないの」と言われるかもしれません。たしかにその通りです。書店に行けばたくさんの本が売られています。しかし、それが意外と難しい。国が行ったある調査によれば、雑誌や漫画を除いて1ヶ月に一冊も本を読まないと答えている人は全体の半数近くに上るそうです。本を読むというのは思いのほか敷居が高い行為なのです。それが教養や古典となればなおさらです。

学び直しのチャンス

他方、最近高校の教科書を大人向けに編集した数学や歴史の本が人気を博しています。またマルクスやニーチェなどの古典を読みたいというニーズも高まっているようです。しかし、一人だけで読むというのはたいへんな気力を要します。専門的な部分はインターネットを見てもわからないとこがまだまだ多いです。京都アカデメイア塾では専門的な知識を持った講師陣が、入門から文献講読、論文の読み書きまで、丁寧にサポートいたします。学び直すなら今がチャンスです。

詳しくは当 京都アカデメイア塾 HPをご覧ください。
http://kyoto-academeia.sakura.ne.jp/wp/

イベント「大学改革、どうしてこうなった!?―「京大騒動」から見る大学のいま」のご報告

遅くなりましたが、先月に行ったイベント「大学改革、どうしてこうなった!?―「京大騒動」から見る大学のいま」のご報告です。

当日の参加者は約15名ほど。
京大生を中心に、他の大学の学生や社会人の方などさまざまな方にご参加いただきました。
まず主催者の安達・渡邉・百木から大学改革の現状や大学の歴史についてのプレゼンを行い(第一部)、その後に参加者全体でフリーディスカッション(第二部)、という段取りでした。前半のプレゼンも好評をいただき、後半の議論も活発に盛り上がって、良い雰囲気だったのではないかと思います。
初めてGACCOHさんのレンタルスペースでイベントをさせて頂いたのですが、あの場もそれぞれに活発に発言をしやすい雰囲気作りに合っていたのではと感じました。

プレゼンの内容についても簡単に紹介しておきます。
まず安達千李くんからは、ここ数年の京都大学の大学改革の進み方についてのプレゼンがありました。
国際高等教育院、思修館、教養科目の半数を英語化、5年間で外国人教員を100人雇用、大学入試改革(「意欲枠」の導入)、学域学系制度、など軽く列挙するだけでも、いま京都大学がかなり大がかりな大学改革を進めようとしていることが分かります。またそれぞれの改革について、反対の声も挙げられてきたことも指摘されていました。

つぎに渡邉浩一さんからは、ここ数十年間での文科省の大学改革方針を振り返るというプレゼンがありました。
教育基本法や学校教育法、大学設置基準など、大学にかんする法律関係の基礎知識についての解説があり、それを踏まえたうえで、大学の独立行政法人化後にどのように大学「改革」への圧力が強まってきたのか、という説明がありました。普段あまりこのような大学設置に関する法律などに触れる機会がなかったので、個人的にも勉強になりました。

最後に私、百木漠からは、中世ヨーロッパの大学発祥から近現代へといたる大学の変遷についてのプレゼンをしました。
吉見俊哉『大学とはなにか』(岩波新書)を手がかりにしながら、12~13世紀にヨーロッパで誕生した大学が16~17世紀にはいちど衰退期を迎えていたこと、それが19~20世紀にいおいて国民国家の勃興とともに再び隆盛期を迎えてきたこと、について説明しました。そのうえで、現代ではインターネットという新たなメディアの誕生とともに、もしかすると「第二の死」を迎えつつあるのではないか?という仮説を提示しました。

第二部のフリーディスカッションでは、「人物重視」の大学入試制度(AO入試)は許容しうるか否か、欧米の大学と日本の大学の違い、大学外での学びの可能性、今後の大学のあり方、などについて幅広く意見がでました。参加者全員がそれぞれの立場から発言をして、良い感じに盛り上がったように思います。
他方で、大学改革をめぐる議論はあまりに論点が多すぎて、やや議論が拡散してしまい、それぞれの論点を深堀りしていくのが難しいところもあるな、と感じました。とはいえ、議論に広がりが出るのは良いことで、今後もまた何からのかたちでこのような大学改革について考えるイベントを開催していきたいなと感じました。

GACCOHさんのご好意で、21時すぎにイベントが終了したのちは会場でそのまま懇親会に突入し、その後もそれぞれのグループで議論に花が咲いていました。大学の中ではなかなかこのように様々な年代や立場の人がひとつのテーマについて自由闊達に議論を交わすということは起こりにくいので、京都アカデメイアやGACCOHが協力して、今後もこのような議論と学びのための「場」を提供していけたら良いな、と改めて感じた次第です。

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