伊丹敬之、加護野忠男『ゼミナール 経営学入門』第1章演習問題答案例

京都アカデメイア塾の授業の一環で、伊丹敬之、加護野忠男『ゼミナール 経営学入門』(日本経済新聞社、第3版、2003)の第1章「戦略とは何か」の演習問題の答案例を作ったので、公表します。

 

第1章 戦略とは何か

(演習問題)

1.
 戦略が失敗した例としてY塾を取り上げる。同社は第一の戦略の定義に関しては、市場の中の長期的基本設計図という点に問題があったと考えられる。市場は長期的に少子化傾向、大学現役入学志向であるにもかかわらず、浪人生を主な対象とした集団授業を提供するという設計図に問題があったと言えるのである。第二の戦略の定義に関しては、多くの生徒から求められる企業というあるべき姿を設定したとして、そこに至るシナリオに問題があったと考えられる。同社は多くの生徒を集めるために主要都市に教室を開くというシナリオを採用したが、地域に密着するようにもっと広範囲に教室を開くシナリオのほうが適切であると言えそうである。

2.
 ポジショニングスクールに偏った場合には、現実的に組織としての活動が可能であるかどうかが見落とされがちになる。市場の中で需要を見出しても、そこで求められる商品を現実的に提供できなければ意味がない。経営資源スクールに偏った場合には、市場の動向に無頓着になりがちになる。自社にふさわしい商品を提供したとしても、それが市場で求められなければ売れるはずがない。

3.
 マーケットシェアが高いということは生産の絶対量が多いということなので、その生産経験を通して得られる技術情報などが蓄積されやすくなる。また、顧客との接触も多くなるので、顧客そのものについての情報が蓄積されるとともに、顧客のフィードバックから商品の質を向上させるヒントも得やすくなる。このようにして見えざる資産の蓄積につながる。

 

経営学というよりは国語(小論文)的に答案を作っているような感じがしました。

 

 

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