日時:11月21日(日)13:00~17:00(12:30開場)

 場所:京都大学法経本館1F第七教室(地図

 入場無料(身分、所属を問わずどなたさまでもご参加いただけます)

【 定員150名 予約不要・先着順 】

 第52回京都大学11月祭公式サイト

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ゲスト:鈴木謙介さん(関西学院大学准教授)

鈴木謙介

社会学者、関西学院大学准教授。TBS文化系トークラジオLife、NHK「青春リアル」のメインパーソナリティを務める。インターネット文化、若者文化、消費文化などの観点から現代社会に対する鋭い分析を行っている。著書に『カーニヴァル化する社会』(講談社新書、2005年)、『ウェブ社会の思想』(NHKブックス、2007年)、『〈反転〉するグローバリゼーション』(NTT出版、2007年)、『サブカル・ニッポンの新自由主義』(ちくま新書、2008年)など多数。愛称はチャーリー。

▼ 趣旨説明

「新卒の就職難」「就職戦線の激化」が社会問題となる昨今、大学と〈学問〉の関係は大きな転換期を迎えていると言われている。いわく、現在の就職活動では即戦力が求められているので、大学でも社会に出て直接役立つような実践的な教育を行うべきだ、語学や資格取得に役立つ授業を多く提供すべきだ、云々。少子化の影響を受けて「大学全入時代」が到来し、多くの大学が学生獲得に頭を悩ませる中、上記のような要望を受けて、「実学」を重視した授業に力をいれる大学も増えてきた。

しかし、いっぽうで「教養」志向の復活と言われる事態も見られる。例えば、今年4月からNHKで放送された「ハーバード白熱教室」という番組が好評を博し、講義を担当したマイケル・サンデルの哲学本『これらからの「正義」の話をしよう』が30万部のヒットとなるなど、社会人を中心に、社会に直接役立つ知識や技術とは異なる、いわゆる「教養」を欲する声も多く聞かれるのだ。

「実学」志向と「教養」志向。両方向に引き裂かれているようにも見える、大学と〈学問〉の関係は、これからどのような方向に進んでいくのか。あるいは、いま私たちは大学にどのような〈学問〉を望むのか。そして、今後大学を超えてどのような〈学問〉の場が私たちは創りだすことができるのか。

以上のような趣旨のもと、本企画では、TBS文化系トークラジオLifeのメインパーソナリティとしても活躍中の若手社会学者、鈴木謙介さんをゲストにお招きして、「いま、大学で〈学問〉する意味 -新しい〈知〉の場所を創るには-」をテーマに、鈴木謙介さんと京大生(&元京大生)のガチンコ公開討論を行います。皆さん、お誘いあわせのうえ是非ご来場ください!

▼ タイムテーブル

開演  (13:00)

挨拶:京都大学と〈学問〉 (13:05~)

  • 京都アカデメイアの趣旨説明、取り組みの紹介
  • 東大に対する京大の立ち位置(京都学派の紹介)
  • 本企画の概要説明

第1部 : 大学における〈学問〉の現在 (13:10~14:20)

  • 実学/教養、研究/勉強/学問の定義
  • 就職戦線の激化
  • 大学における実学志向の高まり
  • 他方で、教養志向の復活(例:サンデル本の大ヒット)
  • 高学歴ワーキングプア問題
  • 評価軸の曖昧さ

休憩 (14:20~14:30)

第2部 : 大学を超えて〈学問〉する可能性 (14:30~15:40)

  • 哲学カフェ、読書会、私塾などの広がり
  • 『思想地図』、文科系トークラジオLife、synodos、.review等の取り組み
  • 大学で学んだことを社会で活かせるか?
  • 生涯学習(社会人の学び)の可能性
  • 社会全体の制度を変革する必要性(大学制度、雇用、貧困問題など)
  • 結局、大学には何を望むのか?
  • これからの京都アカデメイアに何ができるか

休憩(15:40~15:50)

質疑応答(15:50~16:30)

▼ 出演者紹介

<総合司会>

■ 積田俊雄

 千葉県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業後、なんの縁があってか今年から人環へ。専攻テーマは労働・所有。京都アカデメイアでは「雇用問題」のブックガイドを担当。東京にいるころは明らかに軽度の鬱であったが、京都に来てから憑きものが取れたように解放感を味わっており、調子に乗って花道教室に通っています。本企画がみなさまにとって、そして私たちにとっても有意義なものになりますように。

<パネル司会>

■ 浅野直樹

 大阪府生まれ。京都大学総合人間学部卒。現在は京都大学大学院人間・環境学研究科の博士後期課程に在籍中。精神分析理論を用いた現代社会論を構想している。京都アカデメイア発起人の一人であり、主にwebなどの技術面を担当している。各種の塾や予備校にて勤務中。

<パネリスト>

■ 信友建志

 山口県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了後、龍谷大学ほかで非常勤講師。専門は思想史・精神分析学。著書に、『メディアと無意識』(共著、弘文堂)、『フロイト=ラカン』(共著、講談社選書メチエ)、『言語臨床の「人間交差点」』(共著、学苑社)など。訳書に、S・ナドー『アンチ・オイディプスの使用マニュアル』(水声社)、L・アルチュセール『精神分析講義』(共訳、作品社)、G・タルド『社会法則/モナド論と社会学』(共訳、河出書房新社)、A・ネグリ『野生のアノマリー』(共訳、作品社)など。

■ 玉置沙由里

 京都大学総合人間学部卒業後、野村総合研究所にて経営コンサルティング業務に従事した後独立。現在は個人コンサル業務を行いつつ、ブロガー(ブログ:女。MGの日記。)でもあり、家メディアの運営(不定期にワークショップやセミナーイベントを実施)も行う。現在「創職」プロジェクトを企画準備中。座右の銘:行動する哲学者。

■ 中島啓勝

 大阪府出身。京都大学法学部卒。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程在学中。専門は政治思想史、文明論。西田幾多郎ら京都学派の歴史哲学を研究している。お笑い好き。

■ 百木漠

 奈良県生まれ。京都大学総合人間学部卒。学部卒業後、富士通テン㈱に就職し、約3年間経理として勤務したのち、研究者を志すために同社を退社。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科の博士後期課程に在籍中。専門は、「労働」をテーマとした思想史研究。現代社会の雇用・労働問題にも関心あり。現在は主にマルクスの労働論を研究中。2010年4月より、同志とともに「京都アカデメイア」プロジェクトを開始、順調に活動規模を拡大中。

■ 中森弘樹

 三重県生まれ。京都大学総合人間学部卒業。卒業後、研究者を志して人間・環境学研究科に進学。色々ありつつも現在に至る。現在は同研究科博士後期課程1年、日本学術振興会特別研究員(DC1)。研究テーマは人間の「失踪」で、社会にとって人が存在するとはどういうことなのかを 探求している。なお、他に専門的にボードゲームのオセロに取り組んでおり、オセロ六段、現近畿・北陸オセロ名人。

■ 田中いくみ

 北海道生まれ。京都大学総合人間学部在籍。来春より関東の一般企業に就職予定。京都アカデメイアstaff。社会学・経済学・政治学の理論や哲学を勉強しながら、現代人の生の領域について理論的に考察している。目下、大学の外で知的実践がいかに可能かを検討中。