【京都アカデメイア聖書読書会(第7期)】

ユング『ヨブへの答え』の一回目でした。参加者は6人。初っ端からユングの激しい宣戦布告。「私は以下において遠慮会釈なく言葉を激情に委ね、不正に対しては不正なことをお返しするであろう。そうすることによって私は、なぜそして何のためにヨブが傷つけられたのかを、またこの出来事からヤーヴェにとっても人間にとってもどんな結果が生まれたのかを学び取るであろう。」当初は章ごとにレジュメを切って読んでゆく予定でしたが、極力参加者の負担を少なくして牛のよだれのように長続きさせるというこの読書会のコンセプトに従って、今後もダラダラ輪読してゆくことにしました。次回は4月29日(土)10:00~@京大サロンです。

永遠平和のために ⑧:『けものフレンズ』で読み解く

大窪善人

今から222年前にカントが構想した永遠平和への途方。しかし、21世紀になった現在も、その目的地ははるか彼方のままです。

前回はカントより前の時代、ホッブズの社会契約論を検討しました。ホッブズの難点は、「恐怖」と「力」によって人々をまとめ上げるのが正しいと決めつけてしまっていることでした。

もちろん、そこには彼が生きた時代的な制約があります。では、それとはことなる、現代に通用する平和論とはどのようなものでしょうか。アニメ『けものフレンズ』が格好のヒントを与えてくれます。
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野獣性と人間性:北朝鮮とどう向き合うか

大窪善人
 

今月16日、北朝鮮が金日成誕生記念日にあわせて弾道ミサイル発射を発射しました。

危険な挑発行為をくり返す北朝鮮にたいし、米国のペンス副大統領は、18日の安倍総理との会談で「平和は力によってもたらされる」と発言。空母艦隊を派遣して北朝鮮を牽制しました。

緊張状況のなかで北朝鮮と米国のあいだに挟まれた韓国、そして日本はどのように対処すべきなのでしょうか?
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次回聖書読書会のお知らせ

聖書読書会担当の舟木です。

新年度の初回は4月15日(土)10:00~@京大サロンです。前回で「ヨブ記」が終わったので、今回からユングの『ヨブへの答え』に入ります。私が持っているのはみすず書房版ですが、別の訳でも結構ですので、『ヨブへの答え』をご持参ください。とりあえず冒頭から読んでみます。参照用に『ヨブ記』もあればなおよいかと思います。

KUNILABO 大河内泰樹インタビュー:人生の日曜日のために

 

2016年春、東京国立市に「KUNILABO(国立人文研究所)」が誕生しました。
一橋大学の教員が中心となり、教養講座やカフェイベントの開催など、アカデミズムと社会とをつなぐ活動をされています。今回は代表の大河内泰樹さんにKUNILABOの活動の展開についてお話をお聞きましました。
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なぜ安倍政権はかくも快調なのか?

大窪善人
 

安倍政権の無敵っぷりがとまりません。

森友学園をめぐる問題は大きな騒動になりましたが、自衛隊の日報問題や”自ら判例を生み出すことのできる”法務大臣など、政権の致命傷になりかねない問題が相次いでいるにもかかわらず、内閣は揺るぎない安定を保っています。

先日、わたしの友人は、まるで首相はスーパースターを取ったマリオのようだと言って、思わずなるほどと感じました。
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「けものフレンズ」を1000倍楽しむためのブックガイド

大窪善人

「すごーい」「IQが溶ける」などでおなじみの話題のTVアニメ『けものフレンズ』が完結しました。

いろいろな動物たちが擬人化した「フレンズ」。しかし、その可愛らしさとは裏腹の廃墟設定とか、謎の敵「セルリアン」など、解かれていない謎が残っています。今回は「けものフレンズ」をさらに楽しむ(?)ためのブックガイドを紹介します!
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【イベント】大学の外で研究者として生きていくことは可能か? Part.3

学外で研究者として生きることの可能性を探る「在野研究者」イベント、第3弾 開催!

大学には残らないけれど研究を続けていきたい。しかし、一口に「在野研究者」と言っても、その方法は研究分野・スタイルによって多種多様で、ひとつにまとめられるわけではありません。
このシリーズ企画では、毎回様々な「在野研究者」をゲストに、その可能性(と限界)についてみなさんと一緒に考えます。

ゲスト:波勢邦生(はせ・くにお)氏
1979年、岡山生まれ。京都大学大学院・文学研究科キリスト教学D1/キリスト新聞社・関西分室研究員。研究テーマは「賀川豊彦の終末論」。修論は「賀川豊彦の死後生観」。キリスト教を中心に広く宗教全般に関心あり。記者半分、研究半分で生活。アカデミズムに基づいた日本語キリスト教メディアの役割を最近ひまつぶしで考えている。趣味は、ネット/アニメ/メイドカフェ/UFO/神学/宗教学/終末論。最近けものフレンズについて原稿提出したら初の即時却下をくらったおっさんフレンズ。
5/13(土) 大阪なんば「現場の人が語るもっとアニメが面白くなる話」を企画中。https://jinbunsemi.wixsite.com/otarou

コーディネータ:大窪善人

日時:4月16日(日)14:00~16:00
場所:GACCOH(http://www.gaccoh.jp
〒606-8301 京都市左京区吉田泉殿町63-17 (京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)
参加費:500円
※ 事前予約は不要ですが、人数把握のためご連絡いただけると助かります。
kyotoacademeia@gmail.com まで氏名を明記のうえメールをお願いします。
主催:NPO法人京都アカデメイア

奮ってのご参加、お待ちしております!
 

アカデメイアカフェ「SNSから哲学する」を開催しました

向畑です。

3月24日の夜にアカデメイアカフェ「SNSから哲学する」を開催しました。

当日は10名ほどの参加者に集まっていただき、また初めての方も多く少し緊張しました。

以下内容のまとめと感想になります。

SNSから哲学する、ということで各人のSNS使用状況、SNSに対する考え方から議論はスタートしました。SNSと一言で言っても様々な種類があり、人それぞれの使い方をしています。今回のカフェでは主としてTwitterやFacebookのような不特定多数の人間にメッセージを発信できる機能を持つメディアをSNSとして取り扱うこととしました。LINEもSNSとして扱われますが主に特手の人間との連絡手段として用いている方が多かったので今回は区別することにしました。

匿名であることの意味、SNS上でペルソナ(仮面)を用いることから話題はSNSから拡張し、現実社会のことへと飛び火していきます。

まさしくこれが哲学カフェの醍醐味であり、ある入り口(切り口)から日常を掘り下げて行くことができたと思います。

個人的に面白かったのはペルソナにまるわるお話です。私たちは現実社会でペルソナを使い分けて、つまり「キャラ」を演じ分けているわけですが、ではSNSでは一体誰に向けた仮面を被っているのでしょうか?厳密に言えば世界中のどんな人ともつながり合うことができる空間の中で、私たちは一体どんな仮面を被って生きているのでしょうか。

またSNSにまつわる問題には私たちの社会に根ざす問題もあり、そこから海外との比較論に発展しました。興味深いのは前々回のアカデメイアカフェ「やらない偽善か、やる偽善か」でも日本と海外との比較の話になっていたことです。自分たちの文化、社会を理解するには「外」との比較が重要になるからでしょうか。

我々のSNSに関する問題は欧米では問題にならないとして、私たちの社会は欧米のように「直す」べきなのでしょうか?おそらくこの問いが今回のカフェの最も難しい問いだと感じました。システムを欧米から借りてきたものの私たちの心が、意識がまだ追いついていない。そんな事態からSNSは歪で、どこか変なものに見えるのかもしれませんね。

参加していただいたみなさんどうもありがとうございました。この度私の就職を機にアカデメイアカフェにも一区切り付けさせていただきます。全三回の開催でしたがとても楽しかったです。またどこかで開催することができればと思います。

新企画「京アカゼミ」がスタートします。

新規イベントの告知です。

今春から、新企画「京アカゼミ」がスタートします。
京都アカデメイアに所属する、各自の専攻分野に通じた会員が、3ヶ月ごとに持ち回りでゼミを主宰します。このゼミでは、まず報告担当者が、各自の関心テーマもしくは専門領域のトピックについて発表した後に(30〜40分程度)、参加者による質疑応答(50〜60分程度)を通じて内容への理解を深めていきます。
今年度の報告担当予定者(所属、専攻分野)は以下の通りです。
【第1回:2017年5月20日】岡室悠介会員(大阪大谷大学人間社会学部専任講師、憲法学・法社会学)
【第2回:2017年8月予定】浅野直樹会員(京都アカデメイア理事、精神分析学)
【第3回:2017年11月予定】中森弘樹会員(京都大学大学院文学研究科特別研究員[PD]、社会学)
【第4回:2018年2月予定】舟木徹男会員(龍谷大学社会学部非常勤講師、社会思想史・宗教学)
日時・内容等の詳細は、順次追って告知いたします。
もちろん、京アカの会員・非会員問わず、どなたでもご参加できますので、各自お誘い合わせの上、お気軽にお越しください。また、会員の皆さまにおかれましては、本メールをお知り合いの方などにご転送いただけますと大変ありがたいです。

ちなみに第1回は、次のような内容を予定しています。
日時:5月20日(土)14:00〜15:30ごろまで
場所:左京西部いきいき市民活動センター第4会議室
テーマ:瀬木比呂志の裁判学―いわゆる「絶望の裁判所」論をめぐって—
報告担当者:岡室
概要:日本においては、各裁判官が外部の圧力から独立して裁判を行うという意味での「裁判官の独立」が憲法上も保障されています。しかしながら、近年では、最高裁判所を頂点とする裁判所内部の組織的な統制が進んでおり、たとえ良心的な裁判官であっても、最高裁の方針に背いた無罪判決や違憲判決を出すことが難しくなっている状況が、元東京高等裁判所判事の瀬木比呂志教授(現・明治大学法科大学院)によって指摘されています。
本ゼミでは、これまでの瀬木教授の業績を簡単にレビューした上で、はたして、日本の司法は、瀬木教授が主張するように「絶望」的状況なのかどうかを、参加者のみなさんと一緒に考えたいと思います。
参考文献(事前にどれか一冊読んできていただけると、理解が深まるかもしれません。):
①瀬木比呂志『絶望の裁判所』(講談社現代新書、日本における司法・裁判統制の現状を把握する上での、とりあえずの一冊。)
②瀬木比呂志『ニッポンの裁判』(講談社現代新書、上記の応用編として、これまでの日本の主要な裁判例について、その力学的な背景も含めてレビューしています。)
③瀬木比呂志『黒い巨塔—最高裁判所』(講談社、上記の内容のいわば小説版、小説好きな方はこちらがオススメ。)

本企画に関するお問い合わせ等については、岡室(y2olibrary@gmail.com) までお尋ね下さい。
よろしくお願いいたします。