村田です。
読んだ本を京アカで紹介したいなと思うことがあり、京アカサイトには書評コーナーもあるのですが、書評コーナーで論じるにはちょっとハードル高いなという場合も多々あり、単に人に勧めたいなとかひと言読書記録を残しておきたいなという場合にこちらのブログに投稿していくこととします。
(他の会員の皆さんの紹介本も知りたいです。)
(書評のほうも随時募集中です。)
梅本浩志『島崎こま子の「夜明け前」―エロス愛・狂・革命』(社会評論社、2003)
ちょっと前に知って読んだ本。「島崎藤村がその姪と関係した末にその顛末を小説に書き渡仏した」ということは文豪ゴシップ的に知っていて、「けしからんやつやな」くらいに思っていたのですが、本書は、藤村とこま子を身勝手な文士と悲劇の女性としてでなく、アベラールとエロイーズになぞらえ、『新生』や『夜明け前』を二人の共同制作のように読むという本でした。 推測の部分も多いようですが、こま子のその後の人生(京大の学生運動に関わっており特高の監視も受けていた)については知らないことだらけで驚きました。