月別アーカイブ: 2017年10月

第3回「京アカゼミ」開催します!

 

 
京都アカデメイアの会員が、毎回、自身の専門分野について発表するイベント「京アカゼミ」。
第3回は、中森弘樹さんが担当いたします。

日時:11月18日(土)12:00〜14:00頃
場所:ゲストハウス「カンノコ」京都市市営地下鉄烏丸線 北大路駅スグ

テーマ:別れはなぜ在るのかーー『別れの社会学』序説(あるいはその構想)

参加無料。

報告者プロフィール:
1985年生まれ。2015年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間・環境学)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、京都大学・立命館大学・京都造形芸術大学非常勤講師。
著作に、「網野善彦――『無縁』の否定を超えて」(大澤真幸編『3・11後の思想家25 別冊大澤真幸 THINKING「O」』左右社、2012年)、「失踪者家族の悲嘆」(髙木慶子・山本佳世子編『悲嘆の中にある人に心を寄せて』上智大学出版、2014年)など。
近著に、2017年10月刊行の『失踪の社会学』(慶應義塾大学出版会)がある。


失踪の社会学 : 親密性と責任をめぐる試論

慶應義塾大学出版会(2018年09月18日)

 

本企画に関するお問い合わせ等については、お問い合わせフォームまたはkyotoacademeia□gmail.com(□に@を入れてください) までお尋ねください。

 
前回のまとめはこちら
第2回 京アカゼミを開催しました

 

ジョセフ・ヒース『啓蒙思想 2.0』:意志の弱さをコントロールする知恵

大窪善人

 
フェイク・ニュースがメディアを席巻し、安直なメッセージやポピュリズムなど、真実よりも信じたいフィクションがまかり通る現代。
理性による社会の発展を説く、18世紀以来の「啓蒙のプロジェクト」は、すっかり時代遅れになってしまったのでしょうか。

本書は「理性的に考えろ」といった、ありがちな啓蒙書ではありません。近年の認知科学の発展をふまえて、啓蒙のバージョンアップを図っています。
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嘘は恥だが役に立つ:思考のトレーニング

大窪善人

 
まずはこちらの絵をご覧ください。

中央に描かれているのは若い男女。テーブルには瓶や果物。男性の右手は女性の顎に添えられ、彼女の手には花束のようなものが見える。なんとなく色っぽいシーンです。
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マンフレッド・キューン『カント伝』:じつはオシャレだったカント先生

大窪善人


カント伝

春風社(2024年03月01日)

 
カントと言えば、『純粋理性批判』をはじめとした重厚な仕事をはじめ、科学論、美学、政治哲学、宗教論など、今なお影響力のある知の巨人です。
しかし、そんな彼も、はじめから偉大な哲学者であったわけではありません。

本書はカントの伝記。この本を読めば、激動の歴史との格闘から紡ぎ出されるスリリングな思索、権威化される以前の、新鮮なカント像が浮かび上がってきます。
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永遠平和のために ⑨:海賊は人類の友か敵か?

大窪善人


 

約二世紀前にカントが夢見た永遠平和。それがたんなる夢想ではなく、いかにして実現可能かを考えるのが、この連載の目的です。

前回(第8回)では、アニメ『けものフレンズ』を通して、”絶対に調和できない敵(絶対的な敵)をも受容する秩序”をつくり上げることこそが永遠平和である、という見通しを得たのでした。

だが、それはいかにして可能なのでしょうか。
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