月別アーカイブ: 2021年6月

円周率公式の証明(改訂版)

以前の記事「円周率公式の証明」がパワーアップして帰ってきました。前回と同じ技法を駆使して、合計で10個の数学公式を証明しました。内容は2つのPDFファイル、改訂版と追加分に分かれています。

改訂版

改訂版では、次の8つの円周率公式のうち7個を証明しました。最後の1つは, 残念ながら私の実力では証明できませんでした。

\[
\pi = 2 \sqrt{3} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{3^n(2n+1)}.
\]

\[
\pi = \frac{2}{\sqrt{3}} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{9^n} \left( \frac{3}{4n+1} – \frac{1}{4n+3} \right).
\]

\[
\pi = \frac{3\sqrt{3}}{4} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{8^n} \left( \frac{2}{3n+1} + \frac{1}{3n+2} \right).
\]

\[
\pi = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{4^n} \left( \frac{2}{4n+1} + \frac{2}{4n+2} + \frac{1}{4n+3} \right).
\]

\[
\pi = \frac{1}{\sqrt{2}} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{8^n} \left( \frac{4}{6n+1} + \frac{1}{6n+3} + \frac{1}{6n+5} \right).
\]

\[
\pi = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \left( \frac{4}{8n+1} – \frac{2}{8n+4} – \frac{1}{8n+5} – \frac{1}{8n+6} \right).
\]

\[
\pi = \frac{2\sqrt{3}}{27} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{81^n} \left( \frac{27}{8n+1} – \frac{9}{8n+3} + \frac{3}{8n+5} -\frac{1}{8n+7} \right).
\]

\[
\pi = \frac{1}{2} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \left( \frac{8}{8n+2} + \frac{4}{8n+3} + \frac{4}{8n+4} – \frac{1}{8n+7} \right).
\]

改訂版のPDFファイル

追加分

追加で次の3つの数学公式を証明しました。

\[
\log \left( 1 – \frac{1}{\sqrt{3}} \right)
= – \frac{1}{\sqrt{3}} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{n+1} \left( \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^n.
\]

\[
\log (2 + \sqrt{3})
= \frac{2}{\sqrt{3}} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{3^n(2n+1)}.
\]

\[
\pi = – 3 \log \left( 2 + \sqrt{3} \right) + 4 \sqrt{3} \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{9^n(4n+1)}.
\]

追加分のPDFファイル

作成: 藤原大樹
更新: 2021年6月22日

 

【京アカゼミ開催】小田切建太郎『「ひきこもり」について語ってみる』

京アカの6月のイベントのお知らせです。

京アカゼミ 第9回
小田切建太郎:「ひきこもり」について語ってみる
時:6月19日(土)16:00~18:00  ※参加無料
処:Zoomでのオンライン開催
どなたでも参加できます(シェア歓迎)。以下の参加登録フォームよりお申込み下さい。イベント前日に参加URLをメールでお知らせします。
https://forms.gle/CzFB6uymW3MmyyFi6

市民のための自由な学びの場「NPO法人京都アカデメイア」のイベント「京アカゼミ」。今回は、ハイデガー哲学が専門で『中動態・地平・竈』(法政大学出版会2018年)の著者でもある小田切建太郎会員(立命館大学)に、「ひきこもり」について語っていただきます。そもそも「ひきこもり」とは何かについて、その実態をふまえつつ、当事者研究や現象学の視点からのアプローチを試みる野心的な発表です。他所ではなかなか聞けない、哲学者の語る体験的「ひきこもり」論。「ひきこもり」に少しでも関心のある方は、ぜひご参加ください!
お問合せは kyotoacademeia@gmail.com まで!

※なお、京アカゼミのため、この日のエックハルト読書会はお休みとします。

(追記)
早速お申し込みいただいておりますが、メールアドレス間違いと思われる申込がございます。申込後に自動返信がない場合は、メールアドレスが間違っている可能性が高いと思われます。アドレスを確認のうえ、再度お申し込みください。

ZOOMの人数の上限が100名のところ、すでに50名の参加登録をいただいております。定員に達し次第、登録受付を終了させていただきますので、参加ご希望の方はお早めにお申し込みください。

 

円周率公式の証明

次の2つの円周率公式を証明しました。

\[
\pi = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{4^n} \left( \frac{2}{4n+1} + \frac{2}{4n+2} + \frac{1}{4n+3} \right).
\]

\[
\pi = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{16^n} \left( \frac{4}{8n+1} – \frac{2}{8n+4} – \frac{1}{8n+5} – \frac{1}{8n+6} \right).
\]

証明に必要な知識はほぼ高校数学のみで、使用する大学数学はアークタンジェントの微分だけです。トリッキーな技法は使わず、ひたすら基本的な式変形を繰返します。そして、2つの公式は同じ流れで証明できます。

PDFファイル

作成: 藤原大樹
更新: 2021年6月21日

 

バーゼル問題

数学のバーゼル問題とは、平方数の逆数すべての和がいくらになるかという問題です。この問題は最初オイラーによって解かれました。
\[
\frac{1}{1^2} + \frac{1}{2^2} + \frac{1}{3^2} + \frac{1}{4^2} + \frac{1}{5^2} + \dots = \frac{\pi^2}{6}
\]
近年Youtubeで、このバーゼル問題が中学数学だけで解けたと話題になっています。情報を整理するために、リンク集を作りました。

Youtuber河野玄斗さんによる解説。明快で分かりやすいです。

Youtuberタマキさんによる解説。丁寧な説明です。

このブームの発端となった動画です。絵が美しい。300万再生を超えており、人気があります。

一番の元ネタは、動画ではなく、次の2010年の論文です。

参考文献
Wästlund, J. (2010). Summing inverse squares by euclidean geometry. reason, 25(8), 2.
http://www.math.chalmers.se/~wastlund/Cosmic.pdf

作成: 藤原大樹
更新: 2021年6月1日