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バトラー『触発する言葉』~哲学思想系読書会始まりました

京アカ隔週水曜夜の読書会は、新年度から、ジュディス・バトラー『触発する言葉』の序章「言葉で人を傷つけること」を読み始めました。
初回は6名参加、互いの知識がバラバラで、一人での読書と違い、とても深い読みができました。
言語・呼び名・抽象そのものの暴力性・被傷性、そこからの対抗の起動の可能性は、竹村和子さんも取り上げていました。バトラーの問題意識は何処にあるのでしょうか?
本書の今回の部分では、中傷・侮辱の言語と「時間」の関係が私としては印象に残りました。
たとえば、「発話内行為」の力=そう呼ばれた瞬間にどこかに(orどこにもないところへ)置かれる=と、「発話媒介行為」の力=その後効いてくる結果;過去の歴史性も関係する結果=を分けて考えてみること。
承認・非承認後に名指される・存在するのではなく、承認と名指し・存在が同時=「承認可能な回路のなかに存在を構築する」という点から、言語上の傷、身体上の傷の関係も考えてみる甲斐がありそうなこと。
初回は7ページ進みました。次回は文庫版p.9~ 5月8日(水)19;:30~Zoom。関心のある方は京都アカデメイア kyotoacademeia@gmail.com までお問合せください。

哲学思想系読書会、次のテキストに進みます

正会員の酒井です。隔週の水曜19:30-21:00にオンラインで行っている哲学思想系の読書会についてのご案内です。
約一年間かけて竹村和子の『愛について』の序論、第4、5章を読み終えました。『愛について』の残りの章は各自が読むことにして、読書会は次のテキストに進もうと思います。

これまでは一段落ずつ輪読をしていましたが、読みたいものがたくさんあるので、次回からは、ある程度まとまった範囲を読んで予習してきて、当日は議論をする、という形式を取ってみようかと思います。
参加者が一人ずつ順番に読みたいテキスト(本の一章程度)を選定して、色々な哲学者のテキストを読んでみる予定です。
分量の多いものや難易度の高いものは数回に跨ります。
現在出ている書籍の案は、傾向としてフェミニズム、政治哲学、ポストコロニアリズムなどです。

次回4月24日水曜19:30-21:00からは、しばらくジュディス・バトラー『触発する言葉』の序章「言葉で人を傷つけること」を読みます。

参加を希望される方や質問のある方、興味のある方は京都アカデメイア  kyotoacademeia@gmail.com にご連絡ください。
京都アカデメイア正会員でなくても参加できます。

 

『昭和史 新版』輪読会~なぜ防げなかったのか

京アカオンライン輪読会 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史 新版』(岩波新書、1959年)をゆっくり読んでいます。4/6(土)に読んだ箇所では、
・お上の命令に従っておればよい、表向き戦争協力の形を示せばよいに国民が陥る
・議会は東条首相の演説に拍手をおくり、政府案を無条件に通過させる機関となる
・緒戦の勝利に目が奪われ、米軍の反攻態勢が整う情勢を正しくつかめず、ミッドウェー海戦で致命的な失敗
など開戦後の軍部、東条英機一派の独裁が招いた泥沼への道が描かれていました。
ナチスのような全体主義は、清潔なもの、ある種の精神性や美意識とともにやってくる、という話題でも盛り上がりました。
次回=4/13(土)20時~「戦争経済の行きづまり」から。どなたでも参加できます(無料)!  お問合せは kyotoacademeia@gmail.com まで!