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飯田隆『言語哲学大全1』オンライン読書会

月1回の哲学の読書会をご提案します。

飯田隆『言語哲学大全』全4巻を一章ずつ読む読書会を開催します。分析哲学の名著としてなおも声望の高い大著です。これさえ読破すれば、フレーゲからデヴィッドソンまでの言語にひたりついて哲学をする系譜を自家薬籠中の物とできるにちがいありません。ゲストに、ほぼ独学で哲学を勉強されてきた、哲学者の田島正樹先生まじえて、一見無味乾燥で些末にさえ見える分析哲学の大系の勘所を押さえられるよう、いちからおたがいに素朴な疑問を忌憚なく出し合って、いっしょに勉強していきましょう。

初回は1月28日(金)13:00~16:00ごろまでオンラインでおこないます。まえがきと序論をお読みください。会の趣旨を説明し、自己紹介をしたのち、開催形式を決議し、早速読み進めていく予定です。その際、学歴、知識、年齢などは一切問いません。ただ哲学を勉強したい、という情熱をもった方を歓迎します。録画とレジュメをデータとして格納するので(参加者間のみで共有します)、毎回出席できなくてもフォローできるよう配慮します。ただし、本は各自でご用意ください。

参加されたい方は kyotoacademeia@gmail.com に一報ください。また、もし曜日や時間の都合が悪い場合は、参加できる時間帯を遠慮なくおしらせください。

飯田隆『言語哲学大全<1>論理と言語』勁草書房、1987
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784326152001

 

新渡戸稲造『武士道』オンライン輪読会

先般打診させていただいた新渡戸稲造の『武士道』オンライン輪読会ですが、参加希望者が私を含め4人に達したので、開催することといたします。初回は今週末12月25日(土)の16:00から、以後も土曜の16:00からです。長くても18:00には終わります。試しに一回だけ参加・ときどき参加も歓迎です。途中入室・途中退室も自由です。どなたでもお気軽にご参加ください。なお、jitsi meet というアカウント作成不要のオンライン会議システムを使います。会議URLを16時前に京アカメーリングリストで送信しますので、そこからご参加ください。

なお、『武士道』はもともと英文の著作ですが、訳本がやたらとたくさんあります。私は岩波文庫のものを使用しますが、その他の訳本でも、手に入るもので結構ですのでご用意ください。目についたもののリンクを三種ほどと、英文のリンクを貼っておきます。

参加希望者は kyotoacademeia@gmail.com までご連絡ください。
それでは、ご参加お待ちしています。

岩波文庫

ちくま新書

PHP文庫

英文原典
https://www.gutenberg.org/cache/epub/12096/pg12096-images.html?fbclid=IwAR1dWYABHO4hBMJaayrChXfhuj7eWMeMpYBluouVCNuYY2gw1rXhoKyiG-M

 

【イベント】「話題の本がわかる!」第7回『ルポ入管―絶望の外国人収容施設』

京アカイベント「話題の本がわかる!」第七回のお知らせです。

今回は、平野雄吾さんの話題の著書『ルポ入管―絶望の外国人収容施設』(ちくま新書、2020)を取り上げます。要約担当は、アジール/アサイラム論が専門の舟木徹男氏です。

日本の難民認定制度や入管の処遇の問題点を扱った本書を、ドイツの教会での難民庇護なども参照しつつ、わかりやすく紹介します。まだ読んでない方もお気軽にご参加ください!

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参加無料
日時:9月4日(土)16:00-18:00
処:Zoomでのオンライン開催
どなたでも参加できます。

以下のリンクまたはビラのQRコードよりお申込み下さい。お申込み後に、ミーティング参加に関する確認メールが届きます。(届かない場合、アドレス間違いの可能性があります)

https://zoom.us/meeting/register/tJMpcumvqjktE9D1ARfzErqJcGO7MPUlyUUW

お問合せは kyotoacademeia@gmail.com まで。

なお、本イベントのため、毎週土曜16時からのエックハルト読書会は、この日はお休みとさせていただきます。

【京アカゼミ開催】小田切建太郎『「ひきこもり」について語ってみる』

京アカの6月のイベントのお知らせです。

京アカゼミ 第9回
小田切建太郎:「ひきこもり」について語ってみる
時:6月19日(土)16:00~18:00  ※参加無料
処:Zoomでのオンライン開催
どなたでも参加できます(シェア歓迎)。以下の参加登録フォームよりお申込み下さい。イベント前日に参加URLをメールでお知らせします。
https://forms.gle/CzFB6uymW3MmyyFi6

市民のための自由な学びの場「NPO法人京都アカデメイア」のイベント「京アカゼミ」。今回は、ハイデガー哲学が専門で『中動態・地平・竈』(法政大学出版会2018年)の著者でもある小田切建太郎会員(立命館大学)に、「ひきこもり」について語っていただきます。そもそも「ひきこもり」とは何かについて、その実態をふまえつつ、当事者研究や現象学の視点からのアプローチを試みる野心的な発表です。他所ではなかなか聞けない、哲学者の語る体験的「ひきこもり」論。「ひきこもり」に少しでも関心のある方は、ぜひご参加ください!
お問合せは kyotoacademeia@gmail.com まで!

※なお、京アカゼミのため、この日のエックハルト読書会はお休みとします。

(追記)
早速お申し込みいただいておりますが、メールアドレス間違いと思われる申込がございます。申込後に自動返信がない場合は、メールアドレスが間違っている可能性が高いと思われます。アドレスを確認のうえ、再度お申し込みください。

ZOOMの人数の上限が100名のところ、すでに50名の参加登録をいただいております。定員に達し次第、登録受付を終了させていただきますので、参加ご希望の方はお早めにお申し込みください。

 

【京アカゼミ開催】岡安裕介『言語伝承と無意識』

久しぶりの京アカゼミです。著者自らその著作を解説するこのイベント、今回は、岡安裕介会員による『言語伝承と無意識』(洛北出版、2020)の解説です。

民俗学と精神分析を架橋することで析出される「言語伝承の図式」を手掛かりに、日本文化に通底する特性を鮮やかに分析する話題の書。もう読まれた方もまだ読まれていない方もこの機会をお見逃しなく! 岡安さんの独特の語り口に触れたい方もどうぞ。

時:2021年5月8日(土)16:00~18:00 ※参加無料
処:Zoomでのオンライン開催
参加URLは、お申込みいただいた方にメールでお知らせします
お申込み・お問合せは kyotoacademeia@gmail.com までご連絡下さい。

 

エックハルト読書会 初回の感想

3月27日(土)はエックハルト読書会の初回でした。マタイ伝でイエスが神殿の前にいる物売りの商人たちを足蹴にして追い払うシーンの象徴的な意味の読み解きでしたが、あれは儀礼や修行と引き換えに神に嘉されようとする等価交換の性根をもった偽善的信者への批判の比喩表現らしいです。神(へ)の愛はそんな人間の等価交換の論理には収まらない純粋贈与なのだ、ということらしい。初回からいきなり面白い。今後が楽しみです。参加ご希望の方は来週からでも全然OKです。kyotoacademeia@gmail.comにご連絡を。毎週土曜4時から。

 

【イベント】「話題の本がわかる!」第5回『未来への大分岐』&『未完の資本主義』 

京アカイベント「話題の本がわかる!」第5回イベントを開催します。
今回扱うのは、マルクス・ガブリエルほか著『未来への大分岐:資本主義の終わりか、人間の終焉か?』(斎藤幸平編、集英社新書、2019年)とポール・クルーグマンほか著『未完の資本主義:テクノロジーが変える経済の形と未来』(大野和基編、PHP新書、2019年)です。

日時:2月15日(土) 17:00~19:00
場所:左京西部いきいき市民活動センター(京阪出町柳駅徒歩5分)
※参加無料・予約不要

資本主義の未来を読み解こうとするこの2冊、いずれも世界の著名な経済学者へのインタビュー集として昨年話題になりました。スタイルは似ていますが、資本主義の未来を予想する点では対照的な内容になっています。『未来への大分岐』がポスト資本主義(資本主義に代わる新たな経済システム)を展望するのに対し、『未完の資本主義』はポスト資本主義という選択肢はありえないと、あくまで資本主義の継続を前提とした議論がなされています。
この2冊を比較しながら議論することで、21世紀の社会/経済の未来が見えてくることでしょう。

関心ある方はどなたでもご参加いただけます。本を読んでいない方の参加も歓迎です!紹介者は百木漠さんです。

 

 

 

 

 

 

 

〈話題の本がわかる!〉

「気になっていたけどまだ読んでいない」「読むの面倒くさいけど概要だけ知りたい」も安心してご参加ください。担当者による書籍内容の要約&ディスカッション形式で構成します。

話題の本がわかる! Vol.03 『ヤンキーと地元』振り返り

 

6月29日、京都・左京西部いきいき市民活動センターにて「話題の本がわかる! 」イベント第3回を開催いたしました!

話題の本の要約を紹介し、「気になっていたけどまだ読んでいない人」にも参加してもらえるというこの企画、今回は、今年刊行された打越正行さんの『ヤンキーと地元』(筑摩書房、2019)を取りあげました!

打越さんは、「暴走族のパシリ」として参与観察を始めた社会学者。本書は、沖縄の若者たちの取材から、その生活世界を記述した労作です。

「ヤンキー」といえば、京アカではかつて斎藤環さんの『ヤンキー化する日本』を「批評鍋」イベントで取りあげています。しかし、「バッドセンス」や「ノリと気合い」といった「ヤンキー」的文化に焦点を当てた斎藤本とは、今回はまた全然異なる切り口。「ヤンキー」といえば家族や仲間の絆を尊ぶイメージをもたれることがありますし、沖縄という土地もまた「ゆいまーる」の語に象徴されるようなユートピア的イメージをもたれがちですが、本書では、沖縄の若者たちにとってたしかに切り捨てがたい地盤でありながら、けっしてユートピアでもなく優しいものでもない「地元」の世界が明らかにされていきます。

 

要約担当は村田。要約といっても、個々のエピソードや具体的な記述が面白い本であるのでなかなか難しかったのですが、雨にもかかわらず皆さん集まっていただき(新規の参加者も!)、議論(や雑談)が弾みました。本の具体的なエピソードについての談義、参与観察という方法についての談義、「本書がこれほど話題になったのはなぜなのか?」「ヤンキー論として、また沖縄論として、どの点が新鮮な発見であるのか?」という話、などなど。

当イベントは続く予定であるので、参加者のみならず、要約担当も引き続き募集中です! 気になっている本を読んでみる機会とするのもよいかと思います。

私もこの機会に、ずっと気になっていた本が読めてよかったです。レジュメを作るにあたっては、関連本も読み直したり新たに読んだりしました。新たに読んだものとしては、特に、暴走族の参与観察として有名な『暴走族のエスノグラフィ』(佐藤郁哉、新曜社、1984)が面白かったです。若者の金銭的・時間的豊かさという観点から暴走族を分析しているくだりは、80年代当時と現代との違いを思うなどしました。

 

 

 

 

【イベント】話題の本がわかる! Vol.03 打越正行『ヤンキーと地元』

京アカイベント「話題の本がわかる」vol.3 を10月18日(金)19:00~21:00 に左京西部いきいき市民活動センターで開催することになりました。今回扱う本は、打越正行『ヤンキーと地元』(筑摩書房2019)です。

日時:10月18日(金)19:00~21:00

場所:左京西部いきいき市民活動センター → http://gekken.net/SW_IKIIKI/access.html

打越さんは暴走族の「パシリ」として参与観察を始めた社会学者。本書はさらに、沖縄の「地元」で生きる「ヤンキー」たちへの取材から、その生活世界を記述していきます。要約を用意しますので、「気になっていたけどまだ読んでいない人」も「読むの面倒くさいけど概要だけ知りたい人」も安心してご参加ください。要約担当は村田智子さんです。

 

〈話題の本がわかる!〉

「気になっていたけどまだ読んでいない」「読むの面倒くさいけど概要だけ知りたい」も安心してご参加ください。担当者による書籍内容の要約&ディスカッション形式で構成します。

話題の本がわかる! Vol.02 『ライフ・シフト』振り返り

6月29日、ゲストハウス・カンノコにて「話題の本がわかる! 」第2回を開催しました。

今回取り上げたのは、L・グラットン&A・スコット『ライフ・シフト』(東洋経済新報社、2016年)です。

本書は2016年の発売ながら、いまだベストセラーとして読まれ続けている話題の本です。先日話題になった、金融庁の「老後資金2000万円不足報告書」問題に象徴されるように、現行の制度は、長寿化の動向にまったく対応できていません。その意味で、わたしたちが「人生100年時代」の将来を考えることは、切実な課題なのだと思います。

本書の特徴は、100年ライフをたんにお金の問題だけで見てはいけないという主張です。たとえば、健康や人間関係、余暇時間といった「無形の資産」の重要性が、今後ますます増してくるといいます。

「無形の資産」とお金を生み出すには、時間の使い方がカギになります。余暇をたんなる暇つぶしとして浪費する(=レクリエーション)のではダメで、これからは人生が”マルチ・ステージ化”するので、リ・クリエーション、つまり、新しいスキルを身につける講座を受けたり、金融リテラシーを磨いたり、身体を鍛えたりする”自己投資”こそが求められるのだと。

イベントでは、ナビゲーターが本の内容を紹介し(ちょっと丁寧にやりすぎたかもしれませんが…)、そのつど参加者から質問やコメントをいただきました。

そのなかで出た意見として、「無形の資産」という見方は面白いが、結局は”いかに経済資産を築くのか”という話でしかないのでは、という手厳しいコメントもありました。

たしかに、現行の経済や社会の仕組みを前提に、もっぱら個人が必死に努力して生き残っていくという見立ては、どこか息苦しさも感じます。リ・クリエーション(再創造)とは、せいぜい所与の環境に働きかけるのであって、世界を一から創造するクリエーションではない、ということなのかもしれません。

ともあれ、経済学からみたライフ・プランとしてはとても面白いと思うので、未読の方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。


これまでのイベント
第1回 新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

Text:Yoshio Okubo