月別アーカイブ: 2015年7月

7月18日 「やっぱり知りたい!京都学派」 第1回「京都学派MAP」

 
京都アカデメイア塾×GACCOH(やっぱり知りたい!シリーズ)とのコラボ企画、いよいよスタートです!

Kyouyou kyotogakuha main
 

「やっぱり知りたい!」シリーズ第2弾では、日本発の独創的な哲学・思想家集団「京都学派」をご紹介します。

観光地として名高い「哲学の道」の名前の由来となった、日本を代表する哲学者である西田幾多郎(1870-1945)。彼はその主著『善の研究』によって学術界を越えた幅広い読者を得、全国から若き哲学徒たちがその高名を慕って京都大学の門を叩くほどになりました。その後、西田の周囲に集まった同僚・後輩・弟子たち等は、いつしか「京都学派」と呼ばれ大きな存在感を示すようになったのです。

第1回「京都学派MAP」では、西田幾多郎、田辺元、三木清といった中心人物たちを紹介しながら、何故、どのように、この京都の地で空前絶後の思想ムーブメントが巻き起こったのかを見ていこうと思います。第2回「京都学派と哲学」では、西田が展開した「無の哲学」がどのような影響を与えていったかを、田辺元の「種の論理」や、「京都学派」が戦後大きな批判に遭うきっかけとなる「世界史の哲学」などを中心に解説していきます。知識人と戦争、哲学と政治という普遍的な問題がここでも問い直されます。そして第3回「京都学派と現在」では、戦後空間においてタブー視にも近い扱いを受けてきた「京都学派」の哲学はどのような現代的意義を持つのかについて考えていこうと思います。(ナビゲーター:中島啓勝)

第1回「京都学派MAP」
日時:7月18日(土)19~21時
場所:京都出町柳 GACCOH(京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)
講師:中島啓勝
参加費:各回1,000円

詳細はGACCOH HPにアップされていますのでご覧ください。
http://www.gaccoh.jp/?p=6583
 

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第4章 多角化と事業ポートフォリオ
1.
 ビール会社が工場跡地を使って不動産事業へ多角化する場合には、範囲の経済の源泉は遊休資産の活用にある。よってその効果のタイプは相補効果であり、遊休資産の使用には限りがあるのでさらなる多角化への発展性は低い。
 ビール生産に必要な酵母の技術を使って医薬品・バイオ事業へ多角化する場合には、範囲の経済の源泉は技術という資産の活用にある。技術という資産は同時にいくらでも活用できるのでその効果のタイプは相乗効果であり、多角化をすることでさらに技術という資産が蓄えられて、さらなる多角化へと発展する可能性もある。

2.
 既存事業との距離が短い分野への多角化することは、短期的には既存の事業で獲得した資産の転用可能性の高さから多角化に成功しやすいというメリットがあるが、両方の事業が共に衰退した場合にはリスクの分散にならないというデメリットがある。長期的には相補効果・相乗効果により両方の事業で高いシェアを占めることができるかもしれないというメリットがあるが、新しい事業に進出しているのだという心理的効果は比較的小さいというデメリットがある。

3.
 企業のドメインは、完全に事後的に設定されるのでも事前に設定されるのでもなく、中間的に設定されるのがよい。完全に事後的に設定すると、既存の事業に合わせて空疎なドメインを設定しがちであり、そうなることを避けられたとしてもドメインに合わせて今ある事業を整理・縮小することには多大な困難が伴う。他方で完全に事前に設定をするとドメインに合わせて無理な多角化をする、あるいは有効な多角化のチャンスを逃す可能性が高くなり、多角化の現実的可能性が低くなる。状況に合わせて現実的に柔軟に多角化しつつ、その過程でドメインを調整し、適度なドメインが形成されるようにするのが理想的である。

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第3章 競争優位とビジネスシステム
(演習問題)
1.
このような、宅配便のネットワークサービスが高度に発達し、コンビニエンスストアの店舗網の密度もきわめて高い環境のものとでのインターネットを使った消費者相手の小売業のビジネスモデルの典型的な発展形態は、自社は商品の仕入れに特化することで、品質に比して低価格な多種類の商品を消費者のもとへと迅速に届けるというものになる。宅配便とコンビニエンスストアが発達していれば商品の配送と受け取りがそれらに頼れるということに加え、代金の収納もしてもらえるので、支払いシステムを自社で構築したりクレジットカードの加盟店になったりする必要がない。さらに、チケットのような定型的な商品であれば、情報さえ管理すればコンビニエンスストアの店舗で発券することもできる。他方でこれらの発達していない国では、流通や支払のシステムをいかに構築するかが大問題になる。

2.
アウトソーシングのメリットはコスト削減と一定の品質の保証で、デメリットは自社のコントロールできる範囲が縮小し差別化が難しくなることである。既存の業務を新たにアウトソーシングするのであれば、その業務に携わっている従業員の不満を高めるというデメリットもある。メーカーが経理業務をアウトソーシングすることは他の製品開発などの業務で差別化することをを意味し、設計業務のアウトソーシングをすることは他の流通や販売などの業務で差別化することを意味すると考えられる。

3.
競争のドメインが広いということはビジネスシステムと製品・市場が広いということであり、取り得る選択肢が多くなる(競争の手段の武器庫が多様になる)とともに、それらを組み合わせることで新たな領域を開発する(懐が深くなる)こともできる。例えばK塾は講師の育成や教材開発も自前で行うほどビジネスシステムが深く、また授業だけでなく模試や出版物も提供するという幅の広さがある。そうすると少子化という逆風の環境になっても競争の手段の武器庫が多様なので、模試を私立高校に売り込むという有効な戦略を取ることができるし、手持ちの資源を生かして大学院入試という新たな市場で勝負できるという懐の深さも見せることができる。