アカデメイア・カフェ」カテゴリーアーカイブ

アカデメイア・カフェ「はじめてのベーシックインカム」

 
次回イベントのお知らせです。

「アカデメイア・カフェ」は、毎回決められたテーマについて、参加者が自由 に議論しあうイベントです。
毎回幅広い年代、職業の方に参加いただいています。予備知識なし、はじめての方大歓迎です。

今回のテーマは「ベーシックインカム
ベーシックインカム勉強会関西さん、ベーシックインカム勉強会いしかわさんとの共催イベントです。

ポスター ベーシックインカム-01

いま新しい社会保障の仕組みとして世界的に注目されている”ベーシックインカム”。じつはベーシックインカムにつながる考え方は、約200年以上前から、トマス・ペイン、J.S.ミル、フリードマンなど、左右を問わず、多くの人びとによって繰り返し論じられてもきました。 ”最適限度の所得をすべての国民に無条件で保証する”というアイデアは、現代に実現できるのか?

今回は、ベーシックインカムについて基礎から一緒に考えます。

プログラム
・前半:レクチャー(中村さん/ベーシックインカム勉強会いしかわ、高橋さん/ベーシックインカム勉強会関西)
・後半:ディスカッション

「ベーシックインカムはみんなのものです。みんなで話せる感じになれば嬉しいです。なるべく分かりやすく説明しますので、少しでも興味のある方はどなたでもご参加ください」(なかむら&たかはし)

日時:2015年04月19日(日)18:00-
場所:GACCOH(京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)
※会場費として一人当たり300〜500円徴収いたします。

当日会場までお越しください。
たくさんのご参加 お待ちしております。
 
お問い合せはこちらまで
kyotoacademeia◯gmail.com(◯を@に変えてください。)
 

アカデメイア・カフェ開催しました!

アカデメイア・カフェを 四条・生きている珈琲にて開催しました。
はじめての方、そしてリピーターの方にも多数ご参加いただき、非常に盛り上がりました。

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会場はほぼ満席

今回は、社会学者の柴田悠さんを交えて、「〈少子化問題〉は問題なのか?―これからの社会保障を考える」をテーマにみなさんと考えました。

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柴田さんによる解説

はじめに柴田さんから日本の社会保障の現状や、問題解決の方法などについて解説していただき、それを踏まえてみなさんと議論しました。議論では、「移民受け入れは少子化対策に有効なのか」、「行政は家族の問題にどこまで介入してよいのか」、「そもそも『少子化問題』は問題なのか」など、刺激的な疑問が出され、話し合う中でより議論を深めていきました。とくに後半の方では「婚活」支援、子育てについての話題で盛り上がりました。

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活発な議論が展開しています

次回のアカデメイア・カフェは未定ですが、決定次第お知らせします。
お楽しみに。

アカデメイアカフェ「〈少子化問題〉は問題なのか?―これからの社会保障を考える―」

次回イベント、アカデメイアカフェのお知らせです。
アカデメイア・カフェは、毎回決められたテーマについて、参加者が自由 に議論しあうイベントです。
毎回幅広い年代、職業の方に参加いただいています。予備知識なし、はじめての方大歓迎です。

今回のテーマは「〈少子化問題〉は問題なのか?―これからの社会保障を考える―」です。
今回はゲストに社会保障に詳しい柴田悠さん(社会学者)をお呼びし、少子化や社会保障についての基礎知識を学びながら、よりよい社会をつくるためにはどうすればよいのか、みなさんと一緒に考えます。どなたでもお気軽にご参加ください!

<第9回アカデメイアカフェ>
テーマ : 「〈少子化問題〉は問題なのか?―これからの社会保障を考える―」
日時 : 9月19日(金)20時~21時半
場所 : 生きている珈琲(京都市下京区立売東町 みのや四条ビルB1F)
ゲスト : 柴田悠さん(社会学者・立命館大学准教授)
※参加費無料。ドリンク1杯の注文でご参加いただけます。途中入退出自由。当日会場までお越しください。

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※柴田 悠(しばた・はるか)さんプロフィール

立命館大学産業社会学部准教授
専門は社会学、社会保障論。
京都府の「京都少子化対策総合戦略会議」で委員も務める。

参考1:柴田悠さんが書かれたシノドスに書かれた記事
「子育て支援」を「相続税」で拡充せよ――新成長戦略の限界とその克服

参考2:京都新聞9月6日朝刊「オピニオン・解説」での柴田悠さんへのインタビュー
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みなさまのご参加お待ちしております!

百木漠

アカデメイアカフェ 「草食系時代」の婚活論のまとめ

http://d.hatena.ne.jp/kyotoacademeia/20140318#1395146858で告知していたイベント、アカデメイアカフェ 「草食系時代」の婚活論を開催いたしました。そのまとめと議論の整理をしておきます。

プレゼンテーション資料

1.年齢別未婚率の推移
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図録▽未婚率の推移 (http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1540.html)より
* 日本の婚外子の割合は2%程度なので、事実婚の割合もそれほど多くないと考えられる2.未婚率上昇の原因
結婚へと向かわせる要因(伝統、生活上の必要性、価値観など)の減少
パラサイトシングル論
恋愛の自由化

3.婚活
少子化対策としての側面(赤川学vs山田昌弘)
婚活の種類…お見合い、知人の紹介、結婚相談所、サイト、合コン、自治体イベントなど

4.結婚の法的意義
人格的効果…同居義務、協力義務、扶助義務(生活保持義務)、貞操義務
財産上の効果…婚姻費用の分担、日常の家事に関する債務の連帯責任、夫婦別産制
その他の効果…相続、子の嫡出化、氏、姻族、成年擬制、生命侵害に対する慰謝料
離婚の方法…協議、調停・審判、裁判(民法770条の5つの理由)
離婚の効果…財産分与(清算、扶養、損害賠償)、子の扱い(親権者・監護者、面接交流、監護費用)

当日の議論のまとめ

    • 結婚したい? どちらでもよい? したくない?
    • 日本ではどうして事実婚が少ないの?
    • 結婚相手に求めるもの――子ども、収入、親密性、深い人間関係など
    • 男性に安定した収入がないと結婚に踏み切れない?
    • 婚活イベントの体験談――いろいろな人と話せるのはいいが、いきなり好きになるのはなかなか…
    • 婚活サイトは条件で絞りをかける一方で、文面から人柄を推測することもできる
    • 恋愛は結婚の前提?
    • 同じ人でも年齢を重ねるにつれて結婚観が変わる

 

補足

結婚と寿命の関係
当日の議論では未婚者のほうが長生きするという統計があるとの話が出ましたが、インターネットで検索しただけではその統計が見つけられず、むしろ未婚は寿命を縮めるというデータがありました。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1820.html

もし未婚が寿命を伸ばすという統計をご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。

女性の労働力率(M字カーブ)
現在ではM字型とは言えないほどになっています。

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h25/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-01.html

法律婚と事実婚の違い
意外かもしれませんが、法律や制度の上では事実婚にデメリットがほとんどありません。考えられるデメリットは以下の2つくらいです。
  • 所得税や住民税の配偶者控除を受けられない
  • 相続が認められない

もっとも、この2つについても、夫婦ともにそれなり(103万円あるいは141万円以上)の収入があればどのみち配偶者控除が受けられないので同じことですし、相続が認められなくても遺言で遺贈すればよいことです(相続ではなく遺贈になると相続税の計算で少し不利ですが、5000万円以下ならそもそも相続税が発生しません)。社会保険(健康保険や年金)は事実婚でも不利になりません。事実婚の証明は住民票で夫(未届)または妻(未届)とするそうです。事実婚のデメリットは各種の家族割引や病院での身元引受人になれるかどうか、ひいては世間の目といった、はっきりとした制度とは別のところにあります。

今月「生きている珈琲」でイベントします

アカデメイアカフェ 「草食系時代」の婚活論

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5人に1人が生涯結婚しない時代。
そもそも結婚しないといけないのか?
少子化、格差社会、おひとりさま、
バーチャル家族、シェアメイト・・・
これからの社会、個人のライフ・スタイルについて考えます。

昨今の「婚活」にまつわる問題から、結婚、家族の未来像までディスカッションします。

・プレゼンテーション:浅野直樹(京都アカデメイア)
日時:2014年3月28日(金)午後8時~9時半頃
・会場:生きている珈琲(京都市下京区立売東町 みやの四条ビルB1F,ジュンク堂書店京都店 東側スグ)
・参加方法 ドリンク一杯の注文で参加できます。途中入退出も自由です。当日 直接会場までお越しください。

・主催:協力:NPO法人京都アカデメイア
・協力:生きている珈琲

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アカデメイアカフェとは?
アカデメイアカフェは、NPO法人京都アカデメイアが主催するディスカッション・イベントです。
予備知識は必要ありません。美味しい珈琲を飲みながら、みんなで議論しませんか? 前回参加していただいた方も初めての方も、ご都合の合う方はお気軽にご参加ください。
アカデメイアの活動についてはこちらをご覧ください。
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アカデメイアカフェ開催しました

先月末、四条・生きている珈琲でアカデメイアカフェを開催しました。今回は6月に「経済成長」をテーマにしたカフェのシリーズ企画・「経済成長と幸せ」を行いました。前回のリピーターの方、今回はじめての方もたくさん来ていただき、充実した内容となりました。前回は、参加者のみなさんと経済成長推進派/脱成長派にわかれて議論しました。対して今回は、あえてあらかじめ主催者側で対立軸は設定せずに、みなさんと論点や対立軸を探していくというスタイルで進めました。

「幸せ」を定義することは難しい。幸せとは、たとえば、好きな音楽を聞いたり、好きな本を読んでいるとき、好きな人と一緒にいるとき、あるいは、美味しいコーヒーが飲めて嬉しいというような、主観的な感情です。しかし同時に、幸せとは、社会調査の分析や社会政策の目標、あるいは哲学的な思索の対象となるような、客観的なできごとでもあります。最近話題になった古市憲寿さんの本では、いくつかの統計データをもとに、現代の若者の多くが(主観的には)いまの生活に満足していると感じているということを描きだしました。その結果は、2000年代以降の格差の拡大や日本経済の停滞が深刻な問題となっているという現実がある中で、多くの人に驚きをもって受け取られました。また、「世界一幸せな国」として紹介されているブータンでは、GDPとは別にGNH(Gross National Happiness/国民総幸福)という指標を設定し、それをもとに国家の政策を進めてもいます。

ディスカッションでは、幸せをめぐる時代・世代論的な論点で盛り上がりました。戦後の日本社会ではずっと、目の前の抑圧や障害を取り除いていくことで幸せを達成してきたという意識がある、しかし、他方で、現代では昔とくらべて充分に豊かになり、目にみえる障害が少なくなったにもかかわらず、かえって幸せや自由を実感しにくくなっているように感じられる、と。あるいは、逆に、本当に社会や個人は自由になってきたのかという鋭い意見も出ました。たとえば、就職活動での一見個人の選択肢の拡大にみえることが、同時に、就職をしなければならないという選択を自明の前提としている、というように。たしかに、それは、「抑圧的寛容」(H.マルクーゼ)とでもいうような、制限付きの自由であるに過ぎないと言うべきかもしれません。
よりよい幸せはどしたら実現できるのか。また、そのときに経済はどのようなあり方がふさわしいのか。簡単には答えの出ない難しい問いですが、今回、議論を通して、事後的にさまざまな論点や対立軸が見出されたことには公共的な意味があったのではないか、と思います。

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大窪善人

今月 生きている珈琲でイベントします

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アカデメイアカフェ ―経済成長と幸せ

アカデメイアカフェ at 生きている珈琲 第二弾!
今回は「経済成長と幸せ」というテーマについて考えます。前回のアカデメイアカフェは、経済成長についてYes/Noの立場に分かれて議論を交わしました。シリーズ2回目の今回は、参加者みなさんと議論をより深めるために、”幸せ”というテーマをプラスしました。幸せについて普段感じている素朴な感覚や経験から、経済成長がもつ意味について、あらためて考えてみたいと思います。予備知識は必要ありません。美味しい珈琲を飲みながら、みんなで議論しませんか? 前回参加していただいた方も初めての方も、ご都合の合う方はお気軽にご参加ください。

・日時:2013年9月27日(金)午後8時~9時半頃
・会場:生きている珈琲(京都市下京区立売東町 みやの四条ビルB1F,ジュンク堂書店京都店 東側スグ)

・参加方法 ドリンク一杯で参加できます。途中入退出も自由です。当日 直接会場までお越しください。

・主催・協力:NPO法人京都アカデメイア/生きている珈琲
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アカデメイアカフェ満員御礼!!

今週金曜日にアカデメイアカフェを開催いたしました。20名以上の方にご参加いただき、会場は満席となりました。

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打ち合わせ風景

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京アカ・スタッフによるプレゼンテーション

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ディスカッション

前半は経済成長推進/脱成長それぞれの立場から、アカデメイア・スタッフがプレゼンテーションを行いました。そして、後半は、推進支持/脱成長支持にわかれて来場のみなさんとディスカッション、白熱した議論が交わされました。当日はじめて知り合った方同士が、主張・反論の根拠を示しながら議論を深めました。仕事帰りの時間に、そして夜遅くまでご参加いただき、本当にありがとうございました。また、アカデメイアカフェのシリーズ化の構想もありますので、ぜひ今後の展開にもぜひご注目ください。

今回、会場・企画協力していただいた、生きている珈琲さんのご紹介。

コーヒー専門店 生きている珈琲
京都府 京都市下京区立売東町 みのや四条ビルB1F/阪急河原町駅より歩いて3分

webサイトはこちらです。
http://ikiteiru.com/hpgen/HPB/categories/4259.html

四条のカフェでイベントやります!

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来月の京都アカデメイア・イベントのお知らせです。

来月6月に京都アカデメイアは街場のカフェでイベントを開催します。

今回のお題は「経済成長」! いま注目の「アベノミクス」の話題から、経済成長推進か、それとも脱成長を考えるべきなのかという問題に挑戦します。前半はプレゼンテーション、そして、後半は来場の皆さんと一緒に考えます。久々の京アカハウス以外でのイベントです。ご都合の合う方はお気軽にご参加ください。

テーマ:
アカデメイアカフェ~経済成長 Yes or No?

最近はアベノミクスが話題になっています。一方で、日本は経済成長主義を改めたほうが良いのではないかという意見もあります。経済成長か脱経済成長か?
 美味しい珈琲を飲みながら、皆で議論してみませんか?予備知識は必要ありません。「新しい知のスペースをつくる」京都アカデメイアが主催するカフェイベントです。」

・プログラム
 第1部 プレゼンテーション 経済成長推進 or 脱成長/プレゼンター:大窪善人、百木漠
 第2部 ディスカッション in 生きている珈琲

・出演
 百木漠(京都大学 人間・環境学研究科博士課程)
 大窪善人(佛教大学 社会学研究科博士課程)

・日時: 6月7日(金)午後8時開場、8時15分開始

・会場: 生きている珈琲(四条 ジュンク堂書店東側スグ)
 http://ikiteiru.com/hpgen/HPB/categories/4259.html

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・参加方法: ドリンク一杯で参加できます。途中入退出も自由です。当日 直接会場までお越しください。

・主催:京都アカデメイア
・協力:生きている珈琲

・連絡先: kyotoacademeia@gmail.com

アカデメイアカフェ活動報告

先月の11月17日(土)に第5回アカデメイアカフェを開催しました。

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サクラカフェ

今回のカフェは下鴨にあるサクラカフェに場所をお借りしました。近所には府立植物園や洛北高校があって、店内も落ち着いた雰囲気の素敵なお店です。当日はあいにくの天気でしたが、それにもかかわらずたくさんの方に参加していただきました。ほぼ初対面同士によるディスカッションということで、いわばインスタント的に議論を広げていくという形式でしたが、結果的に楽しんでいただけたなら幸いです。

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今回のテーマは「食」にまつわるあれこれについて広く考えてみようという趣旨で、食生活と健康についての身近な疑問から、食育、便利で快適な食品生活の功罪など、話題も多岐に渡って展開しました。(ところで、毎日規則正しく三食摂っているという人が多かったのはちょっとした驚きでした。)

しかし、なぜ「食」なのでしょうか? 人は誰しも食べ物を摂ることなしでは生きていけません。その意味では食は人間生活の基本的条件のひとつです。また、それだけでなく人は食材を煮炊きすることで料理を発明したり、独自のアレンジを加えることで多様な食文化や生活様式を発展させてきました。これらは人間の特徴といってもよいでしょう。

考えてみれば、食は話題には事欠かないくらい身近な存在です。たとえば、日本では毎日数えきれないくらい多くの食品が生産・流通しています。また、街を歩けば料理店が目に入らない場所を探す方が難しいくらいです。しかし、その一方で、食中毒や農薬、遺伝子組み換え食品、BSE、食品偽装、放射能汚染の問題などの食の安全や、肥満やメタボリック・シンドローム、ダイエットなどの健康の問題、そして食料自給や世界中の飢餓、食料危機の問題などとも結びついています。

今回の企画では触れることができなかった論点もたくさんありましたが、当日のディスカッションで気づいたのは、食についての話を周囲の人たちとする機会がこれまであまりなかったということです。もちろん、それには一般的な理由が考えられます。一つには、あまりにも身近な問題であるために、話していても気に留めないということもあるでしょう。しかし、もう一つ重要な理由は、「食」についてのさまざまな問題が、本当は根本的な部分で倫理や道徳的な問題にかかわっているからではないでしょうか。

たとえば、毎日何気なく飲んでいるコーヒーの豆は、じつは過酷な労働を強いられている途上国の労働者によって作られたものかもしれない。私たちがそのコーヒー豆を購入し消費することで、知らず知らずのあいだに悲惨な状況に加担しているかもしれない。あるいは、もっと根本的なことは、そもそも食べるということによって他の生き物の命を奪っているということです。しかし、食品がより安全で快適で早く提供される一方で、その背後でどのような仕組みが作動しているのかが見えにくくなってもいます。

現代の食の問題を包括的に取り上げた『食の終焉』によれば、食は本来、ほかの商品とは根本的に異なっているものであるといいます。にもかかわらず、スニーカーやDVDなどと同じように、食も経済システムに組み込まれていることが、さまざまな問題の原因になっていると指摘しています。けれども、そうした問題がわかったところで、いますぐに根本的な解決が図られるわけでもありません。ある参加者の方が言った印象的な言葉があります。「こうして色々な問題がわかっても明日から自分自身の食生活は変わらない気がする。またこれまでの(不健康な?)生活を続けていくのだろう」、と。しかし、その通りかもしれません。個人でできることには限界があります。あるいは、より良い選択ができるのは限られた余裕のある人だけかもしれません。

今回の企画では、正しい答えを見つけたり、ある特定の考え方を推奨することは意識的に避けました。むしろ、日常の食事や生活が、さまざまな要素や問題とつながっているという複雑さ、あるいは繊細さにお互いに気づき合うというところにポイントをおきました。一見遠回りにもみえますが、このような営みは、ものごとについて深く考えるということにとって、あるいは実践的な観点からみて決して無意味なことではないはずです。なぜなら、それぞれの意識が変わることは、同時に、その行為の意味が変化することでもあるのだから。

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ディスカッション風景

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サクラカフェ・ブログはこちら。
http://ameblo.jp/rarara-sakura-cafe/

大窪善人