読書会:井上達夫『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』レポート(2)

 
会員の岡室です。本日は、宇都宮共和大学専任講師の吉良貴之さんをゲストにお招きして、井上達夫著『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』の読書会を開催しました。

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もっとも、同書で提示されている論点は、日本のいわゆるリベラル派と称される人々の問題点、憲法9条削除論から、ロールズやサンデルの正義論に対する批判にいたるまで、非常に多岐にわたるものです。

そうした点を踏まえ、はじめに、吉良さんの手書きレジュメによって、論点整理と井上説への疑問点を提示していただき、会場では同レジュメによる問題提起を中心に、活発な質疑応答が展開されました。

また、吉良さんには、井上氏が、この本を書かれた背景などについても詳細にご説明いただきました。

その他、当日に議論された内容としては、まず、井上氏が提示する「正義概念」の構想に関して、そうした主張が、イスラムによるテロなどと、いかに対峙できるのかといった批判や、そもそも、普遍的な正義概念は存在しうるのかといった根本的な疑問が提起されました。

また、9条削除論に関しても、リベラル派の原理主義的護憲派による「大人の知恵」としての9条擁護論では駄目なのか、といった反論や、憲法解釈論のあり方にも立ち入った深い議論がなされました。

加えて、徴兵制の是非に関する議論なども活発に展開され、読書会として大変な盛り上がりを見せた会であったと思います。

当日はご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
 

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