哲学思想系読書会、次のテキストに進みます

正会員の酒井です。隔週の水曜19:30-21:00にオンラインで行っている哲学思想系の読書会についてのご案内です。
約一年間かけて竹村和子の『愛について』の序論、第4、5章を読み終えました。『愛について』の残りの章は各自が読むことにして、読書会は次のテキストに進もうと思います。

これまでは一段落ずつ輪読をしていましたが、読みたいものがたくさんあるので、次回からは、ある程度まとまった範囲を読んで予習してきて、当日は議論をする、という形式を取ってみようかと思います。
参加者が一人ずつ順番に読みたいテキスト(本の一章程度)を選定して、色々な哲学者のテキストを読んでみる予定です。
分量の多いものや難易度の高いものは数回に跨ります。
現在出ている書籍の案は、傾向としてフェミニズム、政治哲学、ポストコロニアリズムなどです。

次回4月24日水曜19:30-21:00からは、しばらくジュディス・バトラー『触発する言葉』の序章「言葉で人を傷つけること」を読みます。

参加を希望される方や質問のある方、興味のある方は京都アカデメイア  kyotoacademeia@gmail.com にご連絡ください。
京都アカデメイア正会員でなくても参加できます。

 

NHK Eテレ「toi-toi 」「役に立つってどういうこと?」初回感想です

NHK Eテレ新番組「toi-toi 」 脳性まひ当事者の視点から、思うように動かない自身の体を哲学的に解明した今回の主人公・河合翔さん(京アカ会員)は今後もレギュラー出演されるそうです。その他の出演者も、発言から醸し出される雰囲気が、私にはとてもよいものでした。内容の一端:
 問い:「役に立つってどういうこと?」には~
・働いたり社会貢献していなくても「ただいるだけで役に立つ」ことがある(例:車いすユーザーが街を歩いているだけで他の人の見方考え方を変える)、
・「自分が役に立つ立たないを考える必要はないのでは」「価値は自分が決めるもの」
・「役に立つのは大切だけど、役に立たなければいけないというふうになると怖い」
などが出されていました。
 問い:「言葉が伝わらないと役に立たないのか」には、
・「ゆっくり伝わる」「身体で伝えることを読み解く」など、焦らない、時間の大切さがあげられていました。

(感想)役に立たないものの価値をどれだけコトバにして伝えられるか、みたいな挑戦は、私もしていきたいです。役に立たないもの が 言葉にもできず、役に立たないままで、それでも認められるのがよいのでしょうが、そうすると、役に立つもの ばかりの世の中になりそうなので、役に立たないものを言葉にして承認して応援したいです! 皆さんは、どんな感想を持たれましたか。

『昭和史 新版』輪読会~なぜ防げなかったのか

京アカオンライン輪読会 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史 新版』(岩波新書、1959年)をゆっくり読んでいます。4/6(土)に読んだ箇所では、
・お上の命令に従っておればよい、表向き戦争協力の形を示せばよいに国民が陥る
・議会は東条首相の演説に拍手をおくり、政府案を無条件に通過させる機関となる
・緒戦の勝利に目が奪われ、米軍の反攻態勢が整う情勢を正しくつかめず、ミッドウェー海戦で致命的な失敗
など開戦後の軍部、東条英機一派の独裁が招いた泥沼への道が描かれていました。
ナチスのような全体主義は、清潔なもの、ある種の精神性や美意識とともにやってくる、という話題でも盛り上がりました。
次回=4/13(土)20時~「戦争経済の行きづまり」から。どなたでも参加できます(無料)!  お問合せは kyotoacademeia@gmail.com まで!

3/29「アカデメイア・カフェ 第15回 本が読める?読めない?」楽しかったです

こんにちは。村田です。

3月29日はイベント「アカデメイア・カフェ 第15回 本が読める?読めない?」に参加しました。
会員・古藤さんの来洛に合わせたこの企画、昨今もっぱらオンラインで集っている一同のオフ会的面もあり、お昼から始めて(私は途中参加でしたが)予定をややオーバーし、暗くなるまでお喋りは続いたのでした。
後半はイベントの主旨通り、それぞれ持ち寄った本を紹介し合ったり、本の内容だけでなくその周辺のことを語り合ったりできました。

会場となった時忘舎(https://www.jibohsha.com/)は、大正時代の精麦所跡に作られた建物。お庭も室内も飲食物も素敵。白川沿いの落ち着いた空間で文字通り時を忘れるようでもあり、「忘れ物を見つける」(※)ようでもあり(※今回のフライヤーにあったキャッチフレーズ、時忘舎ブログ「読書の秋」より借用)。オーナー・竹中さんによる、慌ただしく観光地化している京都の中でゆっくりものを考えられる場所を作りたい、土地の人のための場所を作りたい、という話も印象的でありました。「居場所作り」はこの日の隠れテーマだったかもしれません。

それぞれ旧交を温めたり新たな縁を結んだりできてよかったです。個人的にも、初対面の方とお会いできた一方で約20年ぶり(!)の友人と再会できたり。ぜんぜん変わってなかった! 京都は前日まで冬のような寒さでして「今年は桜の気配がまったくないなあ」と言っていたのが、この日突然温暖になり白川沿いのソメイヨシノも見ることができたのでした。

京アカメンバーテレビ出演(シェア歓迎)

京都アカデメイアの正会員、河合翔さんが、NHKの新番組「toi-toi(トイトイ)」にレギュラー出演されます!

https://www.nhk.jp/p/ts/72L62Z715X/episode/te/MPWR8X85LZ/

放送日は3月29日(金)夜の10時30分~、Eテレです(再放送は4月4日14時35分~)。今年いっぱいは特番で、年に何回かの放送になる予定とのことです。初回の主人公はいきなり河合さんです。重い言語障害がある河合さんが、体当たり芸人みたいなこともやり、MCみたいなこともやり、モデルみたいなこともやっちゃうという、テレビ史上前代未聞のぶっ飛んだ企画とのことです。河合さんらはただ番組に出演するだけじゃなく、番組制作委員として去年から番組作りにも関わってきたとのことです!テレビやNHKのイメージが変わるかも!?
3月29日、恐る恐る(?)ご覧ください(笑)…….いやいや、どうぞお気楽に、楽しんでご覧いただければ嬉しいです!
周りのご友人・お知り合いにもどんどん口コミしていただければ幸いです。番組をみてくださったあとも、SNSなどで感想などをシェアしてくださると嬉しいです!

 

 

3月29日に京アカ・カフェ@時忘舎(左京区岡崎)開催します

アカデメイア・カフェ  「第15回 本が読める? 読めない?」久々にやってみます!

【日時】 2024年3月29日(金)13:30~18:00
※時間内お好きな時間にご来場ください。
※偶然その時間を共にした人と知り合うようなゆるい感じで。
【会場】   時忘舎(左京区岡崎)  https://www.jibohsha.com/ 
※詳細アクセスは下記
【趣旨】   好きな本の紹介をいただきながら自己紹介を。最近あまり本が読めないという方は読めない理由などを。久しぶりの方、初めての方、オンライン上でしか会っていない方のオフ会をかねて。
【企画】   時忘舎 元オーナー竹中さん + 古藤隆浩(仙台在住)
舟木徹男さんもいてくださいます。
【費用】 時忘舎さんでドリンクなどの注文をお願いいたします。
(竹中さんより)
オーガニックランチ+コーヒー 2110円(税込)
オーガニックケーキ類 600~700円(税込)
コーヒー単品 680円(税込)の範囲ぐらいです。
※今回は、竹中さんのご配慮でビジター料金などは不要です。
【申込】   人数把握のため、前日までお名前と参加予定時間をお知らせください。
(申込アドレス)    kyotoacademeia@gmail.com
(問合せ先) 古藤隆浩 koto@tfu.ac.jp
【会場アクセス 】  606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町56-1 時忘舎
(最寄駅)  ①京都市営地下鉄「東西線」東山駅出口①より徒歩約3分
➁京都市営バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」より徒歩約3分
(地図) https://www.jibohsha.com/access-contact
【アカデメイア・カフェとは】
テーマをひとつ決めて、皆で自由に語り合う集まりです。あまり堅苦しい雰囲気にするつもりはなく、集まったメンバーでざっくばらんにわいわい話せれば、と思っています。
はじめて参加される方大歓迎。京都アカデメイア メール会員(会費は無料です)として登録してください。

本の紹介:『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』

村田です。本の紹介です。

岡真理『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』(大和書房、2023)

現在起こっていることが歴史的文脈の中で説明されています。現在起こっていることを「憎しみの連鎖」「暴力の連鎖」という紋切り型で捉えてはいけないということ、なぜならそれが「ヨーロッパがユダヤ人にパレスチナを植民地として(勝手に)提供する」という植民地主義に由来する一方的な支配に発しているからということ、イスラエルの国際法違反が放置され続けてきたこと、など。市民ができることとして、抗議のためのBDS運動(ボイコット、投資引き上げ、経済制裁)にも触れられています。

本の紹介:『島崎こま子の「夜明け前」―エロス愛・狂・革命』

村田です。

読んだ本を京アカで紹介したいなと思うことがあり、京アカサイトには書評コーナーもあるのですが、書評コーナーで論じるにはちょっとハードル高いなという場合も多々あり、単に人に勧めたいなとかひと言読書記録を残しておきたいなという場合にこちらのブログに投稿していくこととします。
(他の会員の皆さんの紹介本も知りたいです。)
(書評のほうも随時募集中です。)

梅本浩志『島崎こま子の「夜明け前」―エロス愛・狂・革命』(社会評論社、2003)

ちょっと前に知って読んだ本。「島崎藤村がその姪と関係した末にその顛末を小説に書き渡仏した」ということは文豪ゴシップ的に知っていて、「けしからんやつやな」くらいに思っていたのですが、本書は、藤村とこま子を身勝手な文士と悲劇の女性としてでなく、アベラールとエロイーズになぞらえ、『新生』や『夜明け前』を二人の共同制作のように読むという本でした。 推測の部分も多いようですが、こま子のその後の人生(京大の学生運動に関わっており特高の監視も受けていた)については知らないことだらけで驚きました。