カテゴリー別アーカイブ: 書評・レビュー

永遠平和のために ⑧:『けものフレンズ』で読み解く

大窪善人

今から222年前にカントが構想した永遠平和への途方。しかし、21世紀になった現在も、その目的地ははるか彼方のままです。

前回はカントより前の時代、ホッブズの社会契約論を検討しました。ホッブズの難点は、「恐怖」と「力」によって人々をまとめ上げるのが正しいと決めつけてしまっていることでした。

もちろん、そこには彼が生きた時代的な制約があります。では、それとはことなる、現代に通用する平和論とはどのようなものでしょうか。アニメ『けものフレンズ』が格好のヒントを与えてくれます。
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野獣性と人間性:北朝鮮とどう向き合うか

大窪善人
 

今月16日、北朝鮮が金日成誕生記念日にあわせて弾道ミサイル発射を発射しました。

危険な挑発行為をくり返す北朝鮮にたいし、米国のペンス副大統領は、18日の安倍総理との会談で「平和は力によってもたらされる」と発言。空母艦隊を派遣して北朝鮮を牽制しました。

緊張状況のなかで北朝鮮と米国のあいだに挟まれた韓国、そして日本はどのように対処すべきなのでしょうか?
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KUNILABO 大河内泰樹インタビュー:人生の日曜日のために

 

2016年春、東京国立市に「KUNILABO(国立人文研究所)」が誕生しました。
一橋大学の教員が中心となり、教養講座やカフェイベントの開催など、アカデミズムと社会とをつなぐ活動をされています。今回は代表の大河内泰樹さんにKUNILABOの活動の展開についてお話をお聞きましました。
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なぜ安倍政権はかくも快調なのか?

大窪善人
 

安倍政権の無敵っぷりがとまりません。

森友学園をめぐる問題は大きな騒動になりましたが、自衛隊の日報問題や”自ら判例を生み出すことのできる”法務大臣など、政権の致命傷になりかねない問題が相次いでいるにもかかわらず、内閣は揺るぎない安定を保っています。

先日、わたしの友人は、まるで首相はスーパースターを取ったマリオのようだと言って、思わずなるほどと感じました。
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「けものフレンズ」を1000倍楽しむためのブックガイド

大窪善人

「すごーい」「IQが溶ける」などでおなじみの話題のTVアニメ『けものフレンズ』が完結しました。

いろいろな動物たちが擬人化した「フレンズ」。しかし、その可愛らしさとは裏腹の廃墟設定とか、謎の敵「セルリアン」など、解かれていない謎が残っています。今回は「けものフレンズ」をさらに楽しむ(?)ためのブックガイドを紹介します!
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アニメ『けものフレンズ』:動物から人間へ?

大窪善人

1月に放送がスタートしたアニメ『けものフレンズ』が話題です。

このアニメは、動物がヒトの姿(萌えキャラ)になって暮らしている巨大動物園「ジャパリパーク」を舞台にした作品です。

巷では「IQが下がるアニメ」「すごーい!」「たのしー!」「 おもしろーい!」などのワードが飛び交っていますが、しかし「人間」とは何なのかという哲学的な問いを考える上で啓発的です。
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映画『パシフィック・リム』:グローバル資本主義という怪獣

大窪善人


パシフィック・リム [Blu-ray]

ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント(2014-07-09)

 

トランプ新大統領がTPP「永久離脱」の命令書にサインしました。

報道によれば、これにより米国は二国間の自由貿易協定(FTA)に軸足を移すということです。貿易交渉は従来の枠組みに戻るということで、TPP(環太平洋パートナーシップ)の構想が大きく後退するのはまちがいないでしょう。

ところで先日、映画『パシフィック・リム』(2013年公開)をDVDで観たのですが、現在の状況に即して考えると色々と予見的な内容でした。
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要塞戦とパルチザン:大学をめぐる状況

大窪善人


 

ラテン語のintra muros(イントラ・ムロス=城壁の内側)という単語にはもうひとつ「大学の構内」という意味もあります。しかし、大学の由来を考えると「大学」と「城壁」とが結びつくのは少し不思議です。
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