ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』:聖なる儀礼がむすぶ約束


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大窪善人




(1970年01月01日)

 
“儀礼”とは、単なる飾り付けではなく、人と人ととを結びつける連帯の核である。こう主張したのは、フランスの社会学者 E.デュルケームです。
しかし、なぜ儀礼が重要なのでしょうか。

現在、TVアニメ放映中のマンガ『魔法使いの嫁』がヒントになります。

第3巻、頭骨の魔法使い・エリアスの弟子となった少女・チセは、墓場で黒妖犬・ルツと出会います。

クライマックスは、聖なる儀礼にとりなされて、ふたりが使い魔の契約を交わす場面。
結び=結ばれるかのような”中動態的”な表現。その”あいだ”にあるのは、個人の実在をこえた、何か超越的な力です。

 

個人と個人や集団を結びつける儀礼。それは、単なる形式的な行為ではなくて、”要式”がもたらす不思議な働きです。

“脱魔術化”し、神も魔法も消えてしまった近代において、”社会”の生成を、あえて宗教や聖なる儀礼によって解き明かそうとしたデュルケームの議論は、今もなお注目に値します。

じつは、「蕩尽」概念で有名なバタイユの宗教論も、デュルケームの分析を現代社会に適用する試みだったのです。

 

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