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Ustream番組、「カピバクさんに聞いてみよう!」の告知です

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日本経済の状況が依然厳しく企業業績も成長が難しい中、「就活」の話題が巷を騒がせない日はありません。内定、エントリーシート、リクルートナビ、自己分析、インターンシップ、コミュニケーション能力、ブラック企業などさまざまな言葉が飛び交っています。

今の就活のリアルとは?
人生を台無しにしない就活のためにはどうしたらいいのか?
そもそも、どうして就活をしなければいけないのかなど、
ここでしかできない話をカピバクさんに聞いてみます!

京アカUstream “カピバクさんに聞いてみよう!”第2回 「『就活』をはじめる前に知っておきたいこと」
2013年4月13日(土),午後2時~

出演:
カピバクさん(百木漠)
大窪善人

Ust URL:http://www.ustream.tv/channel/moriouju-test

”kapibaku”のUstream番組が始まりました!

京都アカデメイアを牽引してきた”kapibakuさん”こと百木漠出演のUstream番組が始まりました。
題して、「kapibakuさんに聞いてみよう!」

この番組は、京都アカデメイア(京アカ)のスピンオフ放送で、毎回、経済、社会からサブカルまで注目・話題のトピックについて、京アカの大窪善人がkapibakuさんにリラックスした雰囲気でお話を聞いてみるというスタイルの企画。第1回目は、京都アカデメイアの近況から、ノマド、フリーミアム、NPO・社会的企業などのトピックに触れながら、もっとも難しい問いのひとつである、「そもそも人間はどうして働かなければいけないのか」、ということについてお話を聞きました。

放送はyoutubeで公開しています。

当日は土曜日の日中にもかかわらずご覧になった方ありがとうございました。
次回の放送は4月13日(土)の予定です。詳しい時間や内容は京アカのブログやtwitterでお知らせしていきます。
お楽しみに。

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大窪善人

<批評鍋>宇野常寛「PLANETS」Vol.8

今月も出町柳で京アカ「批評鍋」を開催した。今回ではや3回目を迎えたこの企画。今回は宇野常寛編集のミニコミ誌「PLANETS」Vol.8を取り上げた。最初にことわっておくと、京アカではこれまで、いわゆるサブカル系の書籍はあまり扱ってこなかった。その意味では今回の企画は、ひとつの挑戦でもあった。詳しい内容はUstreamのアーカイブで見ることができるが、京アカのメンバーの論評は辛口で、批判的なコメントも多かった。しかし、それは単なる批判にとどまるものではなくて、結果的には、「PLANETS」と京都アカデメイアとが、ちょうど鏡のようにしてお互いを映し出しているように見えた。

失われた20年

「失われた20年」、これは現代の日本社会の経済状況を表現する言葉である。1990年代初頭のバブル崩壊後の平成不況、そして、2000年代前半の自民党 小泉改革によって一度は回復しかかったかに見えた経済も、2007年頃から顕在化した米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な経済危機によって頓挫してしまった。つまり、この20年間もの間、日本経済の成長や発展は、ずっと失われ続けてきたというわけだ。

だが、この本ではそれとはまったく別のパースペクティブを開こうとする。まずはじめに、なぜこの20年間が失われてきたのか、この問いから議論はスタートする。その解答は、戦後日本を支えてきた経済や政治のシステムが新しい時代に対応できなくなってきているのに、依然として従来のシステムを前提に社会が動いているからである、と。そして、そこでいま必要なのは、そうした古いシステムを21世紀に対応した新しいシステムに置き換えること、つまり、「社会のOSのアップデート」であるということが主張される。
<夜の世界>から<昼の世界>へ

それでは、その「新しいOS」とは何なのか。果たして希望はどこに見出されるのだろうか。キーワードは「情報社会」と「日本的想像力」である。「ソーシャルメディア・ゲーミフィケーション・拡張現実」と題された巻頭の2つの基調座談会からはじまる特集記事、あるいは、この本全体がこの2つのキーワードを軸に貫かれている。そこでの議論でまず驚かされるのは、AKB、ニコニコ動画、初音ミク、Twitter、LINE、評価経済、アノニマスなどの、圧倒的な量と速度で提示される固有名群であろう。また、そのほとんどはこれまで公共的な場面ではほとんど取り上げられてこなかったような固有名である。つまり、これらはすべて<夜の世界>で生まれ、語られてきた言葉なのだ。

「失われた20年」と呼ばれた日本社会の裏側では、情報技術の発達を背景にして、じつは様々な新しいサービスやカルチャーが(ひそかに)生成していたのである。そこでおもしろいのは、そうした技術やサービスがかならずしも日本生まれのものではないということだ。たとえば、Twitterやニコニコ動画にせよ、もともとは米国由来のブログや動画共有サイトを下敷きにして広まったサービスである。しかしそれは、輸入した技術を単に受容したというわけではなく、たとえば、2ちゃんねる由来のネタ的コミュニケーションとか、ある種のキャラクター文化などと結びつきながら日本独自の進化を見せていった。

これまで一般にはほとんど注目されることがなく、あるいは「ガラパゴス的」なものとして単に軽蔑されてきた技術や発想の可能性の側面に光を当てようというのが議論の焦点である。いや、本書の主張はもっとラディカルでかつストレートである。つまり、「<夜の世界>の原理を<昼の世界>の原理」へと置き換えることである、と。

<夜よりも暗い夜の世界>から

最後に、当日の議論では充分に触れることができなかった部分について少し補足しておくことにしよう。さて、本書は「<夜の世界>の原理を<昼の世界>の原理とする」ことを目指しているわけだが、ここで改めてその意味について考えてみたい。

本書の特徴として指摘しておくべきことは、編集の宇野さんを含めて、参加者の多くが20代後半から30代が中心と非常に若い書き手、論者だということだ。だからといって、その議論の水準が低いということはまったくなく、示唆的な論考にあふれている。

ところで、世代的な区切りでいえば、かれらはいわゆる「ロスト・ジェネレーション」と呼ばれる世代に当たる。つまり、本当は能力があったにもかかわらず、力を発揮する機会に恵まれなかった、いわば、明るい<昼の世界>に対して、<夜の世界>の住人たちである(もちろん世代論ですべてがうまく説明できるわけではまったくないにしても、ある種の側面を捉えることはできるだろう)。考えてみれば、正規の出版ルートを介さずに同人誌的に展開してきた「PLANETS」という雑誌自体、<夜の世界>のメディアとして、文芸・サブカルチャー評論を通じて<夜の世界>の原理を<昼の世界>の原理へと「ハッキング」することを成功させてきた象徴的な存在だったのではないか。

ただ、そこであえて疑問を挟むとすれば、「<夜の世界>の原理を<昼の世界>の原理とする」というスローガンは強い批評的(あるいは政治的な)メッセージであるということだ。『リトル・ピープルの時代』(2011年)で示された「小さな父」として成熟するというアイデアとか、あるいは批評家 東浩紀に対するかつての執拗な批判は、「絶対に正しい正義が存在しない」というポストモダン状況をある意味で、より徹底させるという結果であるように思われる。であるならば、少なくとも、<夜の世界>の原理を<昼の世界>の原理へと置き換えるといった場合には、むしろ、その正当性が問われざるを得ず、さらに、その正当性を支える別の原理(根拠)を考えることが必要とならざるを得ないのでないか。あるいは、それは小さな個々人がそれぞれ競合しながら「決断主義的」に乗り越えていくべき問題に過ぎないのだろうか。

ところで、筆者は宇野さんのちょうど10歳下で、世代的にはいわゆる「ゆとり世代」に当たる。ポスト・「ロスト・ジェネレーション」とは、まさに「失われたことが失われた世代」である。しかし、それは案外悲惨なことではなく、「絶望の国の幸福な若者たち」(古市憲寿)として、それなりに楽しくやっていけているということなのかもしれない。あるいは、そのような状況自体が本当は悲劇的なことなのかもしれないが―。いずれにしても、、そのストーリーがおおむね正しいとするなら、「PLANETS」とは別の原理や戦略を立てる必要があるのかもしれない。<夜の世界>ならぬ、<夜よりも暗い夜の世

湯浅誠『ヒーローを待っていても世界は変わらない』感想補足

ヒーローを待っていても世界は変わらない

ヒーローを待っていても世界は変わらない

百木です。先日の批評鍋(ust放送してる読書会のようなもの)で読みました。当日は、参加型民主主義の可能性やリーダーシップ型民主主義の是非などで議論が盛り上がりましたが(個人的にはIくんの言っていた「フォロワーシップ」という言葉が面白いなと思いました)、批評鍋の時間中にコメントできなかったことをここで書いておきます。僕がこの本を読んでいて個人的に面白いと思ったのは、第3章「私たちができること、やるべきこと」の中で紹介されていた具体事例でした。例えば以下のようなものです。

被災地の仮設住宅などでは、たいていの場合、中年女性はすぐに近隣の人と人間関係を築き、情報交換や必要な物の交換などをするようになるけど、中年男性はそういう人間関係を築くのが苦手で、仮設住宅に引きこもってしまうよう人が多いそうです。中年男性は会社などの職場ではうまく人間関係を築けていても、一歩その外に出ると社交ベタな人が多いと。その結果、いま被災地周辺ではパチンコ屋がたくさんできていて、行き場のない中年男性がそこに集まってしまうそうです。悲しい話ですが、いざ自分もそういう立場に置かれたら同じ状況に陥らないとは言い切れません。

そこでさらに紹介されている事例が興味深くて、そういうおじさんたちに「見守り部長」とか「出納担当課長」とかの名刺を配って仕事をお願いすると、彼らは急に張り切り出すそうです。肩書きのついた名刺をもらった途端に、「しかたないな、俺がやらねば」とか言い出して、急に周辺の仮設住宅に挨拶まわりを始めたり、リーダーシップをとって仕切りだしたりする。「複雑な気持ちになりますが…」と湯浅さんは書いていたが、なるほど上手いやり方があるものだな、と思いました。

おじさんたちのプライドを傷つけないように、できるだけうまくおだててあげながら、良い仕事をして良い人間関係を築いてもらうことが大切なのですね。なぜなら中年男性にとっては「周囲から認められる仕事を与えられている・している」という認識が社会関係を形成するうえで、非常に重要なファクターなっているから(少なくともいまの日本では)。その点、女性のほうがそういう非常事態には臨機応変で人間関係を築くのが上手だということなのかもしれません。(もちろんケース・バイ・ケースでいろんな人がいるとは思いますが。)

あと、「足湯」ボランティアの試みも興味深かったです。今回の震災でも行われた「足湯」ボランティアは、単に足を温めることだけが目的ではないそうです。ボランティアの人がいきなり被災地を訪ねていって「大丈夫ですか」と聞いてまわっても、被災地の人たちからは「大丈夫です」という答えしか返ってこない。その結果、なかなかうまく被災者のニーズを汲み取ることができない。そこで編み出され普及したのが足湯だそうです。

椅子を並べて希望者に座ってもらう。椅子の前にたらいを置き、お湯をはっておく。ボランティアの人がたらいの先にしゃがみ、足をさすってあげたり、終わったときに足を拭いてあげたりする。その状況が15分間くらい続きます。ボランティアの目線は足湯をしている人の目線よりも下の位置にある。「熱すぎませんか」「温まってきましたか」などと聞かれるうちに「最近どうですか」という話になる。そうすると気持ちがリラックスする状況もあり、そこから逃げ出すわけにもいかないというわけで、うまく被災者の方々の本音を聞き取ることができるそうです。これもなかなかよく考えられた仕組みですね。

他にもこういった事例がいくつか紹介されていて、本論からはややずれる話なのですが、そういった事例紹介が個人的には一番面白かったです。

次回イベント「教養ってなんだろう」のお知らせ(1月18日〔金〕18時半~)

百木です。
今月のイベントのお知らせです。
いま、京都大学で問題になっている国際高等教育院構想について
ご存知の方も多いと思います。ご存知ない方はネットで検索して頂くか、
こちらのまとめ記事などを御覧ください。↓
いま、京大で起こっていること。 -「国際高等教育院」問題についてComments(京都アカデメイアスタッフブログ)
京都大学「国際高等教育院」問題への反応 2012年12月ver

結局、12月の部局長会議でこの構想案が正式に承認され、
一段落ついてしまった感はあるのですが、いっぽうで人環教員が
総長の辞職を求める署名活動を始めるなど、まだ問題含みの展開が続いています。
松本総長辞職要求署名のお願い(自由の学風のために)

そこで今月の京都アカデメイアでは、この問題をきっかけにして、
改めて「教養」について考えるイベントを企画します。
人環の酒井敏先生をお招きして、国際高等教育院構想の問題点や
教養教育のあり方について幅広くディスカッションしたいと思います。

酒井敏先生は、先日もメールした国際高等教育院問題を通じて
僕が個人的に知り合った先生で、海洋物理学が専攻の方なのですが、
教養教育についてなかなかユニークな考えをお持ちで、
ぜひ京アカで何かお話をしてくださいとお願いしたところ、
快く了承してくださいました。
酒井敏先生HP

はじめに酒井先生から今回の問題についての簡単なまとめや、
酒井先生の考える「教養」の意義について30分間ほどレクチャーを頂き、
その後1時間半ほど参加者全員で自由にディスカッションをする予定です。
京大生以外の参加も歓迎なので、関心ある方はお気軽にご参加ください。

<京都アカデメイア1月企画>
【テーマ】教養ってなんだろう?~「国際高等教育院」問題から考える
【日時】1月18日(金)18時半~
【場所】京都大学 人間・環境学研究科棟 333演習室
【ゲスト】酒井敏先生

※当日は人環棟の入り口が19時で施錠されてしまうので、遅れてくる方などいらっしゃいましたら、事前にkyotoacademeia□gmail.com(□に@を入れてください)までご連絡ください。

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※この紹介文の汚文字は僕のものです。読みにくくてすいません。なぜか下書きのつもりで書いたつもりのものがビラに採用されてしまった。。題字の味がある文字は村田さんのものです。(デザインも村田さん)

新春企画☆批評鍋

みなさまこんにちは、遅ればせながら新年あけましておめでとうございます、今年もゆるゆると活動してゆく予定ですので、よろしくお願いいたします。

先日、新年初京アカイベントを開催しました。題して「批評鍋」。
ネーミングのてきとーさからお分かりいただけるように、年末にノリで決まった企画です……が、いざやってみると、なかなか白熱した会になりました。

第一回は、phaさんの『ニートの歩き方』という本を取り上げて語り合いました。
「鍋をつつきながら批評ぽいことをしよう」という主旨のイベントだったのですが、後半は議論がヒートアップし、鍋を食べているのは私だけになり、ついに鍋の火が止まるという事態に……。

詳しい内容は、他のスタッフが書いてくれることを期待して、とりあえず鍋の写真だけupしておきますね☆
なお、「批評鍋」は来月以降もやる予定です。
話題の本だけでなく、論壇やサブカル一般もテーマにとりあげたいなあ、という声もありますので、ご興味ある方はぜひご期待ください! 参加も歓迎です。

最初の鍋。白い。

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赤くなった! 紅白で縁起良し

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具材は持ち寄りで。
牡蠣!

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仙台土産、ずんだ風味きのこの山!

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アカデメイアカフェ活動報告

先月の11月17日(土)に第5回アカデメイアカフェを開催しました。

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サクラカフェ

今回のカフェは下鴨にあるサクラカフェに場所をお借りしました。近所には府立植物園や洛北高校があって、店内も落ち着いた雰囲気の素敵なお店です。当日はあいにくの天気でしたが、それにもかかわらずたくさんの方に参加していただきました。ほぼ初対面同士によるディスカッションということで、いわばインスタント的に議論を広げていくという形式でしたが、結果的に楽しんでいただけたなら幸いです。

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今回のテーマは「食」にまつわるあれこれについて広く考えてみようという趣旨で、食生活と健康についての身近な疑問から、食育、便利で快適な食品生活の功罪など、話題も多岐に渡って展開しました。(ところで、毎日規則正しく三食摂っているという人が多かったのはちょっとした驚きでした。)

しかし、なぜ「食」なのでしょうか? 人は誰しも食べ物を摂ることなしでは生きていけません。その意味では食は人間生活の基本的条件のひとつです。また、それだけでなく人は食材を煮炊きすることで料理を発明したり、独自のアレンジを加えることで多様な食文化や生活様式を発展させてきました。これらは人間の特徴といってもよいでしょう。

考えてみれば、食は話題には事欠かないくらい身近な存在です。たとえば、日本では毎日数えきれないくらい多くの食品が生産・流通しています。また、街を歩けば料理店が目に入らない場所を探す方が難しいくらいです。しかし、その一方で、食中毒や農薬、遺伝子組み換え食品、BSE、食品偽装、放射能汚染の問題などの食の安全や、肥満やメタボリック・シンドローム、ダイエットなどの健康の問題、そして食料自給や世界中の飢餓、食料危機の問題などとも結びついています。

今回の企画では触れることができなかった論点もたくさんありましたが、当日のディスカッションで気づいたのは、食についての話を周囲の人たちとする機会がこれまであまりなかったということです。もちろん、それには一般的な理由が考えられます。一つには、あまりにも身近な問題であるために、話していても気に留めないということもあるでしょう。しかし、もう一つ重要な理由は、「食」についてのさまざまな問題が、本当は根本的な部分で倫理や道徳的な問題にかかわっているからではないでしょうか。

たとえば、毎日何気なく飲んでいるコーヒーの豆は、じつは過酷な労働を強いられている途上国の労働者によって作られたものかもしれない。私たちがそのコーヒー豆を購入し消費することで、知らず知らずのあいだに悲惨な状況に加担しているかもしれない。あるいは、もっと根本的なことは、そもそも食べるということによって他の生き物の命を奪っているということです。しかし、食品がより安全で快適で早く提供される一方で、その背後でどのような仕組みが作動しているのかが見えにくくなってもいます。

現代の食の問題を包括的に取り上げた『食の終焉』によれば、食は本来、ほかの商品とは根本的に異なっているものであるといいます。にもかかわらず、スニーカーやDVDなどと同じように、食も経済システムに組み込まれていることが、さまざまな問題の原因になっていると指摘しています。けれども、そうした問題がわかったところで、いますぐに根本的な解決が図られるわけでもありません。ある参加者の方が言った印象的な言葉があります。「こうして色々な問題がわかっても明日から自分自身の食生活は変わらない気がする。またこれまでの(不健康な?)生活を続けていくのだろう」、と。しかし、その通りかもしれません。個人でできることには限界があります。あるいは、より良い選択ができるのは限られた余裕のある人だけかもしれません。

今回の企画では、正しい答えを見つけたり、ある特定の考え方を推奨することは意識的に避けました。むしろ、日常の食事や生活が、さまざまな要素や問題とつながっているという複雑さ、あるいは繊細さにお互いに気づき合うというところにポイントをおきました。一見遠回りにもみえますが、このような営みは、ものごとについて深く考えるということにとって、あるいは実践的な観点からみて決して無意味なことではないはずです。なぜなら、それぞれの意識が変わることは、同時に、その行為の意味が変化することでもあるのだから。

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ディスカッション風景

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サクラカフェ・ブログはこちら。
http://ameblo.jp/rarara-sakura-cafe/

大窪善人

第5回アカデメイアカフェのお知らせ

百木です。次回イベントのお知らせです。

<アカデメイアカフェ第5回>
テーマ:「たべるをつくる たべるとくらす ~ダイエットから自給自足まで~」
日程:11月17日(土)14~16時
場所: 京都市左京区下鴨花園町 サクラカフェ

(詳しくはリンク先参照 http://ameblo.jp/rarara-sakura-cafe/ )

今回のアカデメイアカフェは今までとは少し趣向を変え、実際のカフェをお借りして開催することとなりました。場所は洛北高校のすぐ近く、閑静な住宅街で営業されているサクラカフェさんです。
アットホームな店内でお茶会を楽しみながら、ざっくばらんなディスカッションをして頂こうと考えています。

テーマはズバリ、「食」。
私たちの日常生活を考える上で、食べ物についての関心や悩みは欠かすことができません。
おいしいものが食べたい、健康的な食事を心がけたい、はたまたダイエットで悩んでいる、といった個人的なことから、食の安全をどう確保したらいいか、世界的な食糧危機が叫ばれる中で私たちの生活はどのような変化を被るか、といった社会的なことまで、テーマは多岐に渡ると思います。
今回はこうした「たべる」をめぐる様々なことについて語り合います。いつも以上に間口の広いテーマですので、あまり難しく考えず、お気軽にご参加下さい。

なお、参加費という形ではありませんが、今回はサクラカフェさんでの開催ということで1ドリンク制とさせて頂きたいと思います。ご了承のほど、よろしくお願い致します。

参加を希望される方は京アカのメールアドレスkyotoacademeia[at]gmail.comまでご連絡よろしくお願い致します。
皆さま、ふるってご参加下さい。

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次回イベントのお知らせです。

今月は、京都大学図書館の職員の方に声をかけていただき、
京都大学の図書系職員の勉強会ku-librariansさんとのコラボ企画を行うことになりました。
「図書館はどこまで開かれるべきか?」をテーマにディスカッション勉強会をおこなう予定です。

<京都アカデメイア×ku-librarians勉強会 図書館ディスカッション>
日時: 10月12日(金)18時半~20時半
場所: 京都大学附属図書館3F 共同研究室5
テーマ: 図書館はどこまで開かれるべきか?―学外者向けサービスについて考える
※身分・所属を問わず誰でも参加可。

※ku-librariansさんについての紹介文です↓
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ku-librarians勉強会
京都大学の図書系職員(若手中心)が有志で行っている勉強会。
1999年スタート。
内容は日常業務についてや海外図書館の動向調査などさまざま。
最近は他職種、他団体とのコラボ企画も積極的に行っている。

http://kulibrarians.g.hatena.ne.jp/
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<趣旨説明>
ご存知のとおり、京都アカデメイアには、大学生・院生だけでなく、
社会人・一般人の方も参加していただいています。そこで時々耳に
するのが、「大学の卒業者や学外者でも大学図書館を利用できれば
いいのに」という声です。
とくに京都大学の図書館は蔵書量も多く、一般書から専門書まで
幅広い図書が揃っています。大学外で勉強している人にとっては、
大学図書館が利用できるのとできないのでは大きな差があるでしょう。

最近は大阪大学や神戸大学、慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパスなど、
学外者・一般者に図書の貸出をおこなう大学図書館も少しずつ増えてきて
いるようです。
もちろん大学側や学内者としては、事務手続きの手間、貴重書紛失の
恐れ、図書利用の不便化などのデメリットも考えられ、学外者への貸出を
行なっていない図書館のほうが大半であるのが現状です。

「大学外での学びを活性化しよう」というのは京都アカデメイアが掲げて
いるテーマのひとつでもありあす。今回せっかくku-librarians勉強会さんから
声をかけていただいたので、大学図書館が開かれるべき範囲について、
図書館職員の方と自由にディスカッションできればと考えています。

注:ku-librarians勉強会は公務ではなく、図書館職員の方が有志で行なって
おられるものですので、今回の結論が大学図書館の公式見解になるという
わけではありません。予めご承知ください。
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今回のイベントは、所属・身分を問わずどなたでも参加可能です。
当日、直接会場にお越しください。
学外者の方でも、今回の勉強会に参加する旨を入り口でお伝えいただければ、
附属図書館への入室は可能です。(図書閲覧も可。図書貸出は不可)
もし分かりにくければご連絡をいただければ対応いたします。

人数把握のため、参加希望の方は事前にkyotoacademeia@gmail.comまで
ご連絡いただければ幸いです。(当日飛び入りも歓迎です。)
勉強会終了後は、ku-librariansさんとの懇親会も予定されています。

長くなりましたが以上です。関心ある方はぜひご参加くださいませ。

2012年8月16日(木)、「京アカ夏まつり2012」を開催しました。

<京都アカデメイア・夏休み特別ustream企画 京アカ夏まつり2012>
会場:アカデメイアハウス(出町柳)

学生をはじめ、社会人の方にも来ていただき充実した会になりました。
当日の様子をまとめておきます。

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第一部 ビブリオ・バトル

京アカ初のビブリオバトル。今回は公式ルールに若干アレンジを加えて行いました。

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発表の順番を決めています。

1人目:大窪
サティピアノ作品集 第1巻』,全音楽譜出版社。
2人目:種村
さようなら、ギャングたち』,�高橋源一郎。
3人目:岡本
音楽する社会』,小川博司。
4人目:百木
暇と退屈の倫理学』,國分功一郎。

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毎発表ごとに5分間のディスカッション、さらに全体ディスカッション5分でチャンプ本を決定!

投票結果は、
1位『さようなら、ギャングたち』,高橋源一郎。3票
2位『暇と退屈の倫理学』,國分功一郎。2票
3位『サティピアノ作品集 第1巻』,全音楽譜出版社。1票
4位『音楽する社会』,小川博司。0票

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優勝者の種村さんには賞品として図書券を差し上げました。

参加していただいたみささん、ありがとうございました。

第二部 アカデメイア・セミナー

・テーマ:「体癖と思考」
・講師:小林哲也先生,(京都大学非常勤講師)

「体癖」とは、整体指導者・野口晴哉氏が大成したもので、体の癖の違いが人の行動や思考の違いをもたらしているという考え方です。

この考え方に従うと、たとえば靴底のどの部分が減っているか、何気ない日常の仕草、体型などをもとに、その人の性格の類型化ができるといいます。

セミナーではそれぞれの参加者の性格を体癖にもとづいて「診断」していただきました。

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小林先生

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興味津々。

後半では体癖に基づいた「体癖運動」の実演もあり、少しユニークなセミナーとなりました。

 食事会&五山観覧

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リラックスした雰囲気で食事&歓談中。

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大文字が見れました。終わりゆく夏を感じる。

 第三部 真夏の夜の討論会――もう一つの”ユニヴァーシティー”をめざして

2010年に京都アカデメイアがスタートして今年で3年目になりました。この討論会では、模擬授業、講演会、読書会、カフェなどのこれまでの活動を振り返ることでその意義を再確認すると同時に、これからの京都アカデメイアの進むべきビジョンを展望しました。また、それを通じて、大学や学生、社会人にとっての学びのあり方、さらには、そもそも学問的に、知的に思考するとは何かという問いについても考えました。

パネリスト
百木 漠
浅野 直樹
池畑 索季
板垣 遼
岡本 竜樹
大窪 善人(司会)

開始直後、これまで京アカを牽引してきた百木氏から重大発表!?

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突然の、百木引退宣言!? 一同騒然!

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ともあれ、討論は進行。浅野氏からこれからの京アカの展望を報告。3年間で、成功した試み、上手くいかなかったことを総括。

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社会人にとっての京アカの可能性とは?

後半は、「学問」とは何か、大学を成り立たせる社会とはなど、根本的な問題に立ち入って議論がなされました。

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議論は深夜まで白熱し、終了したのは予定の終了時刻を2時間近く超えた時でした。

ふだんの生活では、あるいはこれまでの京アカのイベントでも触れられなかった深い議論ができました。

イベントにご参加いただいた方、ustreamで視聴してくださった方、そしてスタッフのみなさまにあらためて感謝を申し上げておきたいと思います。みなさまの参加、協力なしに、あるいは京アカのこれまでの活動の実績・経験がなければ、短期間にこれだけの企画を準備し開催することは到底不可能だったでしょう。

もちろん、これで京アカの活動が終わってしまったわけではありません。今後も、ますます活発に活動は続けられていくはずです。
これからも京都アカデメイアにたいするご理解、ご参加をよろしくお願い申しあげます。

文責:大窪善人(モデレーター)