【告知】隠岐さや香氏講演会「フランス王立科学アカデミーと統治の公共性」のお知らせ

百木です。
私が参加しているGCOE研究プロジェクトの一環として下記の講演会を開催する運びになりましたのでお知らせします。

隠岐さや香氏(広島大学准教授)は、「科学が社会の中でどのような位置づけを与えられてきたか」という問題関心から「科学者」という職業がいかに構想され、制度的な位置を与えられてきたかについて研究を進めておられます。本講演では、昨年度のサントリー学芸賞を受賞された『科学アカデミーと「有用な科学」』をベースとして、「フランス王立科学アカデミーと統治の公共性」をテーマとした講演を行なっていただく予定です。
関心のある方はぜひお気軽にご参加ください。もちろんGCOEプロジェクトの関連のない方のご参加も歓迎です。事前にある程度、参加者人数を把握したいため、参加希望の方はkyotoacademeia□gmail.com(□に@を入れてください)までその旨をご連絡いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

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隠岐さや香氏 講演会(「公共哲学のアクチュアリティと歴史概念としての公共圏」第4回)
「フランス王立科学アカデミーと統治の公共性」

講演者: 隠岐さや香(広島大学 准教授)
日時:  2012年2月18日(土)15:00~17:30
場所:  京都大学大学院人間・環境学研究科 大学院棟333演習室
(当日は土曜日で正面入口が閉鎖されているため、恐れ入りますが14:50に入口前にお集まりください。会場までお連れします。また、この時間にお越しになれない場合は、上野090-4949-3240までご連絡ください。)

<講演内容>

本シリーズでは、西洋世界のなかで歴史的に形成されてきた「公共圏」をめぐって、ハーバーマスが提示したリベラル・モデルとはまた違った角度からこの歴史的プロセスを再検討するための講演会を開催してきた。4回目となる今回は、『科学アカデミーと「有用な科学」』で2011年度のサントリー学芸賞を受賞された隠岐さや香氏に、啓蒙の世紀から革命期にかけてのフランスにおける統治(オイコノミア)の言説を、公共性の成立という観点から再検討する講演をお願いする。
この統治の問題系は、フーコーの講義録の公刊やアガンベンの「ホモ・サケル」プロジェクトの成果を受けて、近年の人文・思想系の歴史研究のなかでもっとも注目されているトピックのひとつである。だが同時に、従来のリベラル・モデルの影響ゆえに、この領域を公共性という語と結びつけて思考することは、未だほとんどなされていない。オーソドックスな政治思想ではしばしば対立的に捉えられてしまう統治と公共性とが切り結ぶ複雑で錯綜した関係の一端が、今回の講演と議論のなかで少しでも明らかになればと考えている。

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以上です。

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