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リポート: 「やっぱり知りたい!京都学派」 第2回「京都学派と哲学」を開催しました

 
大好評の「やっぱり知りたい!京都学派」/中島啓勝 (京都アカデメイア塾×GACCOH)の第2回を開催しました。

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第2回のテーマは”京都学派と哲学”。西田幾多郎や「京都学派」のメンバーが、現実政治の変容とどのように関わって行ってしまうのか、というのが今回の話です。

講師は中島啓勝さん。西田の難解な哲学も、ユーモアを交えながら解説します。

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ナビゲーター:中島啓勝 氏

 

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第3回京都アカデメイア古典読書会のお知らせ

みなさま

京都アカデメイアの百木です。
第3回京都アカデメイア古典読書会のお知らせです。
今回の課題本はカール・シュミットの『現代議会主義の精神史的状況 』です。

1923年時点で議会制民主主義の問題を鋭く指摘し、独裁制再考への道を開いた本書は、現代においてもなお、議会政治の正当性を考察するうえで重要な思考の手がかりを与えてくれる一冊です。現代の議会政治や立憲主義の空転状況と引き比べながら、皆さんとあれこれ議論できればと思っています。

翻訳としては最近、岩波文庫で出版されたばかりのものが入手しやすいかと思いますが、みすず書房新装版カール・シュミット著作集収録のものなど他の形態のもので読んできていただいても構いません。
関心ある方はどなたでもお気軽にご参加ください。

<第3回京都アカデメイア古典読書会>
課題本: カール・シュミット『現代議会主義の精神史的状況』
日時: 9月5日(土)14時〜17時
場所: GACCOH(京阪出町柳駅から徒歩5分)
※参加費は無料ですが、場所代をひとり数百円程度のカンパいただきます。

当日の飛び込み参加も可ですが、参加人数を把握するため、参加希望の方は事前にkyotoacademeia[@]gmail.comまたは百木までご連絡いただけると助かります。
たくさんのご参加お待ちしております。

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8月22日 「やっぱり知りたい!京都学派」 第2回「京都学派と哲学」

 

京都アカデメイア×GACCOH コラボ企画 「やっぱり知りたい!京都学派」(全3回)

第2回 「京都学派と哲学」
 

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第2回は、西田が展開した「無の哲学」がどのような影響を与えていったかを、田辺元の「種の論理」や、「京都学派」が戦後大きな批判に遭うきっかけとなる「世界史の哲学」などを中心に解説していきます。
知識人と戦争、哲学と政治という普遍的な問題がここでも問い直されます。
 

日時:2015年8月22日(土) 19:00-21:00
場所:場所:京都出町柳 GACCOH/参加費1000円
ナビゲーター:中島啓勝(なかじま・よしかつ)

お申し込みはこちら(GACCOH申し込みフォーム)
 

<講座第1回の様子はこちら>
「やっぱり知りたい!京都学派」 第1回「京都学派MAP」を開催しました
 

批評鍋 北条かや『整形した女は幸せになっているのか』

 
8月9日 京アカ批評鍋#14 をニコ生にて放送しました。
テーマ本は、北条かや『整形した女は幸せになっているのか』(星海社)です。

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出演:
浅野直樹さん
新倉純樹さん
岡本竜樹さん

北条かや さん(skype・特別出演)

大窪善人(司会)
 
内容:
・容姿や美容整形は人それぞれが判断すればOK?
・本書の主張・論点は?(浅野) 「キレイになってハッピー」ではない。
・整形問題を考えるときの構え →いったんは肯定的に見ないと深く考えられない。
・整形は社会の問題かそれとも個人の問題か? 自己啓発、就活と整形。
・整形する人は誰のためにするのか? 自分基準か男性基準か?(岡本)→整形医師は男性が多いので男性基準になりやすい。
・ 前著『キャバ嬢の社会学』とのつながるテーマ性。
・整形して得た顔は”属性”なのか”能力”なのか?(大窪)
・もしみんなが整形したらどうなるのか?(視聴者コメント)
・美の評価軸は”相対評価”か”絶対評価”か?(浅野) 美の格差問題は解消可能か?→ 「美人=白人」というグローバル・モデルという問題。
・顔の”所有”問題→「私」の顔は「私」が決める。ではその「私」の根拠はどこにあるのか?
・サイボーグ的な身体-もし「攻殻機動隊」の世界が実現したら? 身体と精神との関係。
・男性の身体コンプレックス。→男性にも押し寄せる美の社会的要求。
・整形と幸せとの関係→見田宗介版 疎外論から考える。個人の実存から構造へ。
 
今回はなかば女性vs男性のような構図で、著者の北条さんにこちらが疑問質問をぶつける形になりましたが、後半では北条さんから逆に質問が飛んできてスリリングでした。とはいえ、今回は”男性”目線からの問いや議論になりがちだったかなと思うので、やはりあらためて”女性”からはどう読まれたのかが気になるところではあります。

美/醜の問題は個人(とりわけ女性)の実存に根深く突き刺さりうる問題だから、それとどう付き合っていくのか、あるいはどう距離をとるのかは難しいけど重要な問題だと思いました。この本の問題提起から、個々人にとって”幸せ”や”自由”が何なのか、といった問いがより深められていくとよいのではないかと思いました。

文責:Y.Okubo

 
<関連動画>
京アカ 批評鍋 #09 『キャバ嬢の社会学』
 

「宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む」を開催しました

 
8月4日、山の学校で「宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む」を開催しました。ご参加いただきありがとうございました。

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宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」を題材に、社会の中で生きるということについて考えました。

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「銀河鉄道の夜」は、幻想的な寓意に満ちた作品です。「銀河」「鉄道」「どこまでも行ける切符」「駅」「ほんとうのさいわい」「離陸」「帰還」… それはさながら、線というよりは点の布石が、やがて図形になったときの驚きに似ています。そして、物語をこえて想像力が惹起されるのは、線と線との思いがけない繋がりを見つけたときです。

IMG_3971tなんと、教室の上に賢治の「雨ニモマケズ」の書が掛けてありました(!)

賢治の生家は熱心な真宗の家系だったといいます。また後年には日蓮宗の信仰に入ってきます。たしかに賢治の作品には、端々に一種の宗教的な信仰を見て取れます。では、賢治の作品はひとつの宗教的なメッセージを伝える作品なのでしょうか。

ところで、「銀河鉄道の夜」には「ここが自分の降りるべき駅だ」と言って汽車を降りていく人たちが描かれます。社会学者 真木悠介=見田宗介さんは、「ひとつの宗教を信じることは、いつか行く旅のどこかに、自分を迎え入れてくれる降車駅をあらかじめ予約しておくことだ」と言います(『自我の起原』)。しかし物語の主人公であるジョバンニの切符は、終点のない「どこまでも行ける切符」なのです。

ある宗教を信じるということは、ここではない「彼方に」ほんとうの答えを描くということです。しかし、ジョバンニの旅は、その「彼方」さえも越えて行こうとすることではないでしょうか。「いまここ」や「彼方」には答えはない。しかし、「ここではないどこか」という否定的ヴィジョンにおいては、ほんとうの答えがあるかもしれない、と。

「銀河鉄道の夜」の、そして賢治の作品の魅力は、そんな宗教すら越えていこうと探求する心にあるのではないか、そんなふうに思います。

 
<関連記事>
映画『誰も知らない』から「幸いとは何か」を考える
 

8月4日 山の学校で「宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む」を開催します

 

8月4日に北白川学園 山の学校で京都アカデメイア・イベントを開催します。

世界に触れる社会学
―宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む―

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詩人・童話作家の宮沢賢治の作品 『銀河鉄道の夜』を読み解きながら、現代社会における「自我」の問題、「社会」の問題、そして、わたしたちが社会を生きることについて考えます。

8月4日(水)16:00~
北白川学園 山の学校
(京都市左京区北白川)
講師:大窪善人
参加費無料、要事前申込み※
主催:京都アカデメイア
協賛:山の学校     

場所は瓜生山・京都造形大近くにある素敵な場所ですので、ぜひお越しください。

※申込みは、京都アカデメイア kyotoacademeia@gmail.com までご連絡ください。

 

8月9日 第14回 批評鍋 北条かや『整形した女は幸せになっているのか』を開催します 

 

毎年好例の京アカ夏まつりイベントのお知らせです。

今年は「批評鍋」に素敵なゲストをにお迎えいたします。

第14回 批評鍋は、北条かやさんの『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)をとり上げます。

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<内容紹介>
顔さえ変えれば、うまくいく?
あっけらかんとした「公言」に留まらず、手術前後をブログで「実況」するモデルまで出現し、ますますカジュアルになっていく「美容整形」。ある調査によれば、18歳~39歳の日本人女性の実に11%が、整形経験者であるという。スマホで手軽に写真撮影・アップロードができ、これまで以上に「見た目」で判断される機会の増えた現代社会。時に美しさは、幸せになるための必要条件であるかのように語られる。美しく生まれた女が幸福に近いのであれば、美しさを「手に入れた」女もまたそうであると言えるのか。現代社会だからこそ出現したこのいびつな問いに、社会学の俊英が挑む。あなたのモラルは、どこまで許す? 
(Amazon.comより)

日時:8月9日(日)19時からニコニコ生放送にて放送予定。
そして、著者の北条かやさんにスカイプにてご出演いただきます!!
批評・言論の最前線からどのような思考やメッセージが放たれるのか、乞うご期待。

放送URL : http://ch.nicovideo.jp/kyoaca (京都アカデメイア・チャンネル/ニコニコチャンネル)
※試聴にはニコニコ動画の登録(無料)が必要です。アカウントをお持ちでない方はご登録をお願いします。

ぜひご覧ください。
また、当日イベントへの参加、出演希望の方も、こちら(kyotoacademeia@gmail.com) までお気軽にご連絡ください!

 
<関連動画>
京アカ 批評鍋 #09 『キャバ嬢の社会学』/YouTube
 

鉄板classe vol.1『あさりが教えるボクらの未来』を開催しました

 
7月11日、鉄板classe(テッパン・クラッセ)inおっとうvol.1『あさりが教えるボクらの未来』を開催しました。

今回は「夜ごはんのついでに学べる時間をつくろう」をコンセプトに、トークやディスカッションだけではなくディナーも楽しんでいただくという、いつもとはかなり趣の異なるイベントとなりました。

会場は、大阪市営地下鉄谷町線、中崎町駅から徒歩すぐの鉄板焼「おっとう」さん。京都アカデメイアが遂に大阪に殴り込みです!

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第1回のテーマは「あさり」。

あさりの話?

あの、貝のあさり?

どういうこと?一体、何が始まるの?

こんな疑問が渦巻く中、それでもたくさんの方にご来場いただいた結果、最終的には何と定員を少しオーバーすることに!参加してくださった皆様、本当にありがとうございました!

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講演は三部構成でした。最初のコーナーでは、池波正太郎の時代小説を話の枕にして、江戸前の代表的な食材だったあさりの産地が現在に至るまでにどのように変遷していったのかを追いました。その過程で日本の近現代史が少し透けて見える場面も。

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続いては和辻哲郎の名著『風土』をきっかけに、「日本のあさり」が海を渡ってイタリアなど海外の様々な国で食べられ、そして養殖されている現状を紹介しました。和辻が「死の海」と呼んだ地中海では、何と日本国内よりも多くの「日本のあさり」が育てられているという衝撃の事実が明かされます。

そして最後に、あさりの「産地偽装」にまつわる隠れたトリックや生態系の破壊に話が及び、食のグローバル化の中で気づかないうちに静かに起こっていた問題とは何なのか、そして私たちはその問題をどのように捉える必要があるのかについて解説しました。

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講演後には質疑応答とディスカッションも活発に行われ、参加者の皆様にはありふれた食べ物であるあさりを通じて社会を考える意外さと面白さを堪能していただけた様子でした。

講演終了後は「おっとう」さんが自信をもって用意した特別なコース料理を皆様に楽しんでいただきました。もちろん、今回の主役であるあさりもワイン蒸しとしてテーブルに。永遠に食べられるんじゃないかと思うくらい身が厚くておいしいあさりでした(ただ食いしん坊なだけ)!
あさり

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そして、ディナーと並行しつつ、今回のもう一つの企画が開催されました。「今日の講演内容がちゃんと理解できているか復習する」という名目で大喜利に答えてもらう、その名も「復習大喜利」です!「(池波正太郎の写真を見せて)この人は誰でしょう?」「日本のあさりと西洋あさりの違いは?」など、次々出されるお題に対して、大喜利参加者の皆様は見事なまでに「ちゃんと理解できていない」答えを繰り出す展開に。異様な熱気に包まれて、もしかしたら本編より盛り上がっていたのではないでしょうか?こちらとしては嬉しいような悲しいような・・・。

とにかく異例の内容づくしだった「鉄板classe」。今後も様々なテーマで皆様と楽しく議論できるイベントにしていこうと思いますので、ご意見、ご感想、ご要望などございましたら、京都アカデメイアまで是非お寄せください。お待ちしております。

中島啓勝

<関連サイト>
鉄板焼おっとう/Facebook

 

7月24日開催 世界に触れる社会学#03「父なき時代」における家族の行方

 
7月24日(金)に世界に触れる社会学#03「父なき時代」における家族の行方 を開催します。

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京都アカデメイア塾「世界に触れる社会学」第3回のテーマは「家族」です。
従来、家族の中で父親が果たす役割は、”切断”や”秩序”、”倫理”などの規範的なカテゴリーにおいて捉えられてきました。しかし、いまやそのような「偉大な父親」というモデルは、どのくらいリアリティのあるものでしょうか。いわゆる「父性の弱体化」が生じた背景にはどのような理由があるのでしょうか。また「父(性)なき時代」における父親の役割としてどのような形が考えられるでしょうか。そして、そのことが与える社会的な影響はどのようなものでしょうか。一緒に考えてみましょう。
 
日時:7月24日(金)、19:00-21:00
場所:京都出町柳 GACCOH/参加費:1,000円
講師:大窪善人
 

7月18日 「やっぱり知りたい!京都学派」 第1回「京都学派MAP」

 
京都アカデメイア塾×GACCOH(やっぱり知りたい!シリーズ)とのコラボ企画、いよいよスタートです!

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「やっぱり知りたい!」シリーズ第2弾では、日本発の独創的な哲学・思想家集団「京都学派」をご紹介します。

観光地として名高い「哲学の道」の名前の由来となった、日本を代表する哲学者である西田幾多郎(1870-1945)。彼はその主著『善の研究』によって学術界を越えた幅広い読者を得、全国から若き哲学徒たちがその高名を慕って京都大学の門を叩くほどになりました。その後、西田の周囲に集まった同僚・後輩・弟子たち等は、いつしか「京都学派」と呼ばれ大きな存在感を示すようになったのです。

第1回「京都学派MAP」では、西田幾多郎、田辺元、三木清といった中心人物たちを紹介しながら、何故、どのように、この京都の地で空前絶後の思想ムーブメントが巻き起こったのかを見ていこうと思います。第2回「京都学派と哲学」では、西田が展開した「無の哲学」がどのような影響を与えていったかを、田辺元の「種の論理」や、「京都学派」が戦後大きな批判に遭うきっかけとなる「世界史の哲学」などを中心に解説していきます。知識人と戦争、哲学と政治という普遍的な問題がここでも問い直されます。そして第3回「京都学派と現在」では、戦後空間においてタブー視にも近い扱いを受けてきた「京都学派」の哲学はどのような現代的意義を持つのかについて考えていこうと思います。(ナビゲーター:中島啓勝)

第1回「京都学派MAP」
日時:7月18日(土)19~21時
場所:京都出町柳 GACCOH(京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)
講師:中島啓勝
参加費:各回1,000円

詳細はGACCOH HPにアップされていますのでご覧ください。
http://www.gaccoh.jp/?p=6583
 

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【京都アカデメイア塾】 授業紹介:京都学派をまなぶ