哲学とは? その3:思考とは未来への贈り物

大窪善人

「感謝」という言葉ほど美しく、かつ胡散臭いものもないでしょう。

ハイデガーが「思考=感謝」と語るとき、そこで何が意図されていたのかが重要です。

なぜ考えることは感謝することなのか?

誰に感謝するのか…?
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木谷美咲『官能植物』:美と快楽への誘い

大窪善人


官能植物

NHK出版(2017年07月04日)

 
いつから人は花を愛でるようになったのでしょう。
なぜ人はこれほど花の美しさに惹かれるのでしょうか?

本書は花と植物のフォト・エッセイ。
ですが中見がちょっと変わっています。
キーワードは「官能」。
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永遠平和のために(番外編):立憲主義から法の支配へ

大窪善人




(1970年01月01日)

 
日本国憲法が施行されて今年で70年を迎えました。その一方で、政府は、とくに9条、安全保障の観点から憲法改正につよい意欲を示しています。

ところで、2年ほど前に京都アカデメイアの読書会で『憲法の条件』(大澤真幸・木村草太の共著)を取り上げたときに、「本書はなぜ「立憲主義」ではなく「法の支配」の問題を論じるのか」ということが話題になりました。当時の憲法論議の中心はもっぱら「立憲主義の危機」でした。

しかし、いまこの一見抽象的な「法の支配」が非常にアクチュアルなテーマになりつつあるのではないでしょうか。
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大学の外で研究者として生きていくことは可能か? Part.3 を開催しました

 
4月16日、波勢邦生さんをお招きしイベントを開催しました。

波勢さんは現在キリスト新聞社・関西分室研究員でキリスト教社会運動家の賀川豊彦の研究をされる一方、キリスト教について解説する動画配信やイベントの開催などさまざまな活動をされています。

今回は、研究の内容とともに、「研究者として生きていく」とはどういうことなのかについてご自身の経験を軸にお話いただきました。
以下、内容を簡単にまとめました。


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【京都アカデメイア聖書読書会(第7期)】

ユング『ヨブへの答え』の一回目でした。参加者は6人。初っ端からユングの激しい宣戦布告。「私は以下において遠慮会釈なく言葉を激情に委ね、不正に対しては不正なことをお返しするであろう。そうすることによって私は、なぜそして何のためにヨブが傷つけられたのかを、またこの出来事からヤーヴェにとっても人間にとってもどんな結果が生まれたのかを学び取るであろう。」当初は章ごとにレジュメを切って読んでゆく予定でしたが、極力参加者の負担を少なくして牛のよだれのように長続きさせるというこの読書会のコンセプトに従って、今後もダラダラ輪読してゆくことにしました。次回は4月29日(土)10:00~@京大サロンです。