京アカオンライン輪読会では、10月26日(土)20:00より、井筒俊彦『イスラーム文化』(岩波文庫)を読みます。お試し参加、ときどきの参加も歓迎です。どなたでも無料で参加できます。お問合せはkyotoacademeia@gmail.comまで!
京アカオンライン輪読会では、10月26日(土)20:00より、井筒俊彦『イスラーム文化』(岩波文庫)を読みます。お試し参加、ときどきの参加も歓迎です。どなたでも無料で参加できます。お問合せはkyotoacademeia@gmail.comまで!
ラミス『戦争するってどんなこと?』の輪読会はお陰様で終了しました。
ご参加下さった皆さん、どうもありがとうございました。
次の本については、改めてお知らせいたします。
1年ぶりに、京アカ・オンライン茶話会を開催したいと思います。
おひとりワンテーマずつ持ち寄って、おしゃべりしてみませんか。
今関心のあること、近況、やってみたいこと、気になる本や映画など話題は何でもOKです。
参加者の前で話してみたら、何かが起きるかも。
【日時】2024年10月12日(土)20時~22時30分 〔19時50分から入れるようにします〕
【事前申込】メーリングリスト登録の方は不要。
メーリングリストで10/11ごろZoomアドレスをお知らせします。
メール会員外の方は、下記まで10/11(金)までにお申し込みください。
(会員外の方の申込先) ibashoasile@gmail.com (担当:京都アカデメイア 古藤)
【参加費】無料 途中入退室自由
※対面のイベント(京都東山散策を予定)も11月下旬に予定されています。
こんにちは、正会員の酒井麻依子です。
これまでのオンライン読書会でジュディス・バトラーの『触発する言葉』
次回からは、ピエール・ブルデューの『話すということ: 言語的交換のエコノミー』(稲賀繁美 訳 藤原書店)を読みます。 https://www.fujiwara-shoten-
(本の紹介)ソシュールにはじまる現代言語学の盲目性を、
範囲はこれから相談するところです。
新しい本に進むに伴い、日時を隔週の月曜日20:00-21:
初回は9月30日(月)です。
※初回は間に合わない方も途中から参加していただいて大丈夫です。
参加を希望される方は、京都アカデメイア kyotoacademeia@gmail.com にご連絡ください。
京アカサイトに穂積陳重『復讐と法律』(岩波文庫)の書評を掲載しました。アジール書評シリーズです。
https://kyoto-academeia.sakura.ne.jp/book_review/id110/
京アカ輪読会では8月24日(土)20:00より、ダグラス・ラミス『戦争するってどんなこと?』(平凡社2014)を読み始めます。元沖縄海兵隊員の政治学者が戦争について易しく説き明かします。予習も予備知識も不要、お試し参加も歓迎。どなたでも無料で参加できます。本は各自でご用意下さい。お問合わせは kyotoacademeia@gmail.com まで!
京都アカデメイア『渋江抽斎』輪読会は8月10日に終了しました。
ご参加下さった皆さま、ありがとうございました。
次に輪読会で扱う書籍は、あらためてお知らせいたします。
高田裕美『奇跡のフォント――教科書が読めない子どもを知って UDデジタル教科書体開発物語』時事通信社、2023
フォントにも「ユニバーサル・デザイン」があることを知ったのは不勉強ながらわりと最近で、新紙幣(そういえばまだ見てない!)に使われているのがユニバーサル・フォントであると知ってからでした。
ユニバーサル・デザインのことって全然ちゃんと知らないな~、フォントや文字というものも好きなはずなのにそういえばよく知らないな~と思って読み始めました。
著者は書体デザイナーとしてフォント開発に打ち込んできた人。あるときロービジョンの子どもたちの問題を知り、さらにその後にディスレクシアの子どもたちの存在を知ったことから、専門家と連携しエビデンスを求めながら誰にとっても読みやすいフォントの開発を目指すことになります。
既存のフォントには、明朝体のはねやはらいの先端の尖りが視覚過敏の子には恐怖に感じられストレスになる等、さまざまな躓きがあることを知りました。
上記のような関心から読み始めたのでありましたが、人脈作りや周囲の人との折衝、業界や会社の事情による紆余曲折、など、お仕事本、ビジネス書としても読める本でした。
私はビジネス書ってほぼ読んだことがないのですが(自分が仕事ができないため仕事のできる人の自慢話を聞かされるようでつらい、というしょぼい理由による)、この本は「成功した人の自慢話」的な雰囲気はぜんぜんなく、子どもたちにUDフォントを届けるため、困難を乗り越えてゆく著者の一途さに最後は一緒に拍手したくなるみたいな本でした。著者は本当にフォントの仕事が好きなのやなあ、と分かる文章で、フォント作成の具体的な工程(気の遠くなるような作業の数々!)の一端が分かるのもよかったです!
ぜんぜん違うジャンルのお仕事本ですが、去年読んだ、岡崎雅子『寝ても覚めてもアザラシ救助隊』(実業之日本社、2022)を思い出しました。
著者の熱量と、それによって知らない仕事の世界を垣間見せてもらえた、という感想が同じだったので思い出したのでした。こちらは、子どもの頃からあざらしが好きであざらし関連の仕事を目指してきたという人による本で、終始著者のあざらし熱に圧倒されました。
秋草愛さん(『どうぶつのおっぱいずかん』の方!)によるイラストも可愛いです。
村田です。暑いですね。最近読んだ本シリーズです。
ミン・ジン・リー『PACHINKO』上・下、池田真紀子訳、文春文庫、2020
最初は装丁の美しさに惹かれわわー! と思っていたらば映画化もされて話題になった小説ですが、やっと最近、文庫版で読みました。
日本統治下の朝鮮半島の小さな島から始まり1980年代の日本、四世代に渡る長い物語。
自分と異なる人の人生をまるで体験したかに感じられること、書かれているのはひとり(か何人か)の物語のはずであるのにそれを通してその向こうに広がる数多の人の人生に触れたように感じられること、が小説を読むときの醍醐味だと思いますが、そういう意味で、「小説を読んだ!!」という満足感をたっぷり得られる小説でした。
日本へ渡ったソンジャが商売を始めるところはドキドキする冒険譚のようだし、ハンスは『風と共に去りぬ』とか『嵐が丘』とかに出てきそうだし(どっちも読んだの昔過ぎて話を覚えてませんが…)、全編面白いのですが、しかし「面白い」というときにひっかかるのは、多くの「日本人」読者がそうであろうように、登場人物たちの経験する苦難に自分の国の加害の歴史が関与しているから。そもそも、自死した在日コリアンの高校生が卒業アルバムに差別的な落書きをされていたという事件が作品の着想のひとつになっていることを作者は語っており、かつそうした状況は今でも無くなってはいない。上巻の帯には「いろいろな人に響く、普遍的な”救いの物語”」とあって「普遍性」が強調されていたり、文庫版解説でもわざわざ「日本人を糾弾する物語ではない」ことや善良な日本人も登場することが注記されていたり、いずれもたしかにその通りではあるのですが、こういった免罪(?)がないと、われわれ世代の日本人はこうした物語を読みづらいのかもしれないな、という懸念を感じました。
特に印象的だったところ:
・逮捕されていたイサクが帰ってくるところ
・「日本人に金を払わせるのがどれほどむずかしいか知っているかね」
・ソンジャの容貌の描写
・「両親がアメリカに渡ったときにはまだ、朝鮮半島は一つの国だったし」
・自死した高校生の遺族に春樹が会うところ
・母の、死の直前での、娘への突然の言葉
引き続き『手づくりのアジール』(晶文社,2021年)のなかの百木漠×青木真兵「対談2 これからの「働く:を考える」で印象に残った箇所を紹介します。
まず、百木さんが紹介するアーレントの「労働=食うため」「仕事=自分を超えたパブリックな世界をつくるため」「活動=他者との対話・議論・コミュニケーションするため」の3分類のうち活動を重視する「活動的生(Vita Activa)」の考え方が紹介されます。
現代は「労働」が重視され、生産性のない人はいらないとされます。社会のあらゆる領域を経済論理、市場論理で埋め尽くそうとする新自由主義は、この感覚をどんどん推し進めます。
日本で新自由主義を乗り越えるためのヒントとして対談で語られるのが、網野善彦の描き出した「公界(くがい)」の考え方。公界は、国家や社会の主従関係などの枠組みからあふれた「無縁」の場で、神社・仏閣などの宗教施設の境内で、漂泊者、商人、行者、芸能人、遊女なども集まり、そこが「市場」になってさまざまな交換が行われていた、とされています。こういう市場だと、怪しげ(?)な人も排除されない感じ、生きていける感じがしていいですね。
現代では、新自由主義、資本主義の「外部」を、アーレント的、マルクス的、網野的、寅さん的、青木さん的にいろいろな形でつくっていくという点に、アジールの可能性が語られます。
「一つの論理だけで社会を埋め尽くされてしまうと、あっという間に全体主義になってしまう。気をつけなくてはいけないと思います」という対談の最後の百木さんの言葉は、心に留めて、活動していきたいな、とあらためて思いました。 (紹介:古藤隆浩)