本の紹介:『島崎こま子の「夜明け前」―エロス愛・狂・革命』

村田です。

読んだ本を京アカで紹介したいなと思うことがあり、京アカサイトには書評コーナーもあるのですが、書評コーナーで論じるにはちょっとハードル高いなという場合も多々あり、単に人に勧めたいなとかひと言読書記録を残しておきたいなという場合にこちらのブログに投稿していくこととします。
(他の会員の皆さんの紹介本も知りたいです。)
(書評のほうも随時募集中です。)

梅本浩志『島崎こま子の「夜明け前」―エロス愛・狂・革命』(社会評論社、2003)

ちょっと前に知って読んだ本。「島崎藤村がその姪と関係した末にその顛末を小説に書き渡仏した」ということは文豪ゴシップ的に知っていて、「けしからんやつやな」くらいに思っていたのですが、本書は、藤村とこま子を身勝手な文士と悲劇の女性としてでなく、アベラールとエロイーズになぞらえ、『新生』や『夜明け前』を二人の共同制作のように読むという本でした。 推測の部分も多いようですが、こま子のその後の人生(京大の学生運動に関わっており特高の監視も受けていた)については知らないことだらけで驚きました。

京アカスーパー銭湯積読解消会と解消した積読

おひさしぶりです。京アカ会員の村田です。
昔はときどきブログを書いていましたが、数年ログインしていませんでした。
またときどき書こうと思います。

先日京アカメンバーの、
「スーパー銭湯に行って積読を解消する」
という企画に参加してきました。
といっても、めいめい好きなタイミングで風呂に入り、専用スペースでそれぞれ持参した本を読んだり勉強をしたりあるいは備え付けの漫画を読んだり昼寝したりする、というだけのイベントです。
しかし、皆がいると思うだけで諸々捗り大変よかったです。「対面」のイベントも久々でありました。

皆、好きなときに来て好きなときに帰ります。私は昼過ぎに来て深夜までいました。
持参した本は以下の通り。積読解消状況を紹介してみます。

・新日本古典文学大系『中世日記紀行集』(岩波書店)から「中務内侍日記」:
一年くらい積んでいた本。昔に古文の入試問題で一部読んで長年気になっていたのがやっと読めました。

・『テーマで読み解く中国の文化』(ミネルヴァ書房):
仕事で読む必要があった本。2章分読めました。

・『巨人出口王仁三郎』(現代教養文庫):
数か月積んでいる本。現地では読めませんでしたが行き帰りの電車で少し読みました。

・『これが現象学だ』(講談社現代新書):
数か月積んでいる本。持ってきたものの読めませんでした。
しかし、「積読の中からどれを持ってこようか選ぶのが楽しかったからOK」「家から移動させたことに意義がある!」と皆と話しました。(その後無事読み始めることができました)

・番外)『ママレード・ボーイLittle』
スーパー銭湯においてあった漫画。3巻くらい読みました。
90年代の少女漫画『ママレード・ボーイ』の続編ですが前作の登場人物が大人になっていました。

途中、食事やデザートを皆でとりながらお喋りしました(これも自由参加)。皆の積読本も紹介してもらいました。普段読まないテーマの学術書や気になる小説を教えてもらい、「積読解消会に行ってまた積まれる本が増える」事態となりました。風呂もよかったです。

京アカ 哲学・思想系読書会『愛について~アイデンティティと欲望の政治学』いよいよ最終回

竹村和子著『愛について~アイデンティティと欲望の政治学』岩波書店、2002年 をゆっくりじっくり読み進めてきた、酒井麻依子さん企画・主宰の京アカ 哲学・思想系オンライン読書会。
この1年間、「個別的な物語と集合的な物語」「一つの事実性の解体」「語りえない声、聞きとれない声」「差異と同一化(個別と普遍)」「翻訳の(不)可能性」「承認と再配分」「アイデンティティの中断」など考えがいのあるテーマにたくさん出会いました。
昨日も「汚染されている普遍」、女と男のように「非対称的で不可逆的な関係」が「語りえぬものを聞く」「聞きえぬものを語る」交通が成り立つ可能性、普遍が成り立たない個別性・他者性に気づきつつも普遍を求め続けることで普遍の変容の可能性などが提唱されていました。次回は最終節「狂気の再演」~タイトルだけでも何が書いてあるのだろうとワクワク。

4月以降、本を変えてほぼ隔週水曜日19:30~にZoomで開催予定。どなたでもご参加大歓迎(無料)。 お問合せは kyotoacademeia@gmail.com まで!

京アカオンライン輪読会『昭和史 新版』開戦前夜を一緒に味わいませんか

京アカオンライン輪読会 毎週土曜日20時~  昨年12月からは、遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史 新版』(岩波新書、1959年)を読んでいます。ここまで、大正デモクラシーから、世界恐慌、治安維持法、満州事変、五・一五事件、国際連盟脱退、二・二六事件を経て、日中戦争開始、国家総動員法制定などの時代を味わって来ました。
何度か引き返す道があったのに、経済情勢、国際情勢、政党・官僚・軍部・天皇などの国内政治情勢、思想統制・迎合、無作為・偶然などさまざまなパワーバランスで戦争という道を選択するリアルを読みやすい文体で味わっています。
次回3/16(土)20時~は、近衛新体制、大政翼賛会、日ソ中立条約などの太平洋戦争開戦前夜の頃を読みます。
どなたでも参加できます(無料)! お問合せは kyotoacademeia@gmail.com まで!

【京アカオンライン輪読会】 次に読む本は 『昭和史 新版』(岩波新書)です。初回は12月23日(土)20:00~

【京アカ輪読会 12月23日(土)20:00~】
京アカオンライン輪読会ではつぎに遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史 新版』(岩波新書、1959年)を読むことにしました。アジア太平洋戦争をじかに経験した若き歴史家たちが、「なぜ私たち国民は戦争に巻き込まれ、押し流されたのか、なぜ自らの力で防ぐことができなかったのか」という切実な問題意識のもと、第一次世界大戦期にまで溯って分析したロングセラーです。資料的には古くても、戦中派世代にしか書けない熱量をもった現代の古典と言えるかと思います。「新しい戦前」と呼ばれる現在、いまいちどこの本を読みなおしてみましょう。どなたでも参加できます!お問合せは kyotoacademeia@gmail.com まで!

今井清一・藤原彰『昭和史 新版』(岩波新書、1959年)

 

 

アークタンジェント公式の代数的証明

以前のブログではアークタンジェント公式をProof Without Words風に視覚的に証明しました.
今回はNelsenさんの論文を参考にして代数的に証明します.
その様子をPDFファイルにまとめました.
計算式だけで単調ですが良かったら見て下さい.

PDFファイル

作成: 藤原大樹
更新: 2024年2月25日