カテゴリー別アーカイブ: おすすめの本

大澤真幸『憎悪と愛の哲学』:敵が友になるとき

大窪善人


憎悪と愛の哲学 (角川学芸出版単行本)
大澤 真幸
KADOKAWA / 角川学芸出版(2017-09-22)

 

愛と憎悪は別のものではない、むしろ、「憎しみがあるからこそ愛がある」。たびたび小説や映画などで描かれるテーマです。むしろ、陳腐と言ってもよいでしょう。が、なぜそうなのか。なぜ、”愛”が正反対の”憎しみ”でもあるのか、理由はよく分かりません。
このパラドックスへの理論的な解答にチャレンジするのが、本書です。
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マックス・ヴェーバー、カール・シュミット『政治の本質』

大窪善人


政治の本質 (中公文庫プレミアム)
マックス・ヴェーバー
中央公論新社(2017-10-20)

 
本書は、古典的名著であるヴェーバー『職業としての政治』とシュミット『政治的なものの概念』を1冊にしたものです。
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ジョセフ・ヒース『啓蒙思想 2.0』:意志の弱さをコントロールする知恵

大窪善人


啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために
ジョセフ・ヒース
エヌティティ出版(2014-10-24)

 
フェイク・ニュースがメディアを席巻し、安直なメッセージやポピュリズムなど、真実よりも信じたいフィクションがまかり通る現代。
理性による社会の発展を説く、18世紀以来の「啓蒙のプロジェクト」は、すっかり時代遅れになってしまったのでしょうか。

本書は「理性的に考えろ」といった、ありがちな啓蒙書ではありません。近年の認知科学の発展をふまえて、啓蒙のバージョンアップを図っています。
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マンフレッド・キューン『カント伝』:じつはオシャレだったカント先生

大窪善人


カント伝
マンフレッド・キューン
春風社(2017-08-09)

 
カントと言えば、『純粋理性批判』をはじめとした重厚な仕事をはじめ、科学論、美学、政治哲学、宗教論など、今なお影響力のある知の巨人です。
しかし、そんな彼も、はじめから偉大な哲学者であったわけではありません。

本書はカントの伝記。この本を読めば、激動の歴史との格闘から紡ぎ出されるスリリングな思索、権威化される以前の、新鮮なカント像が浮かび上がってきます。
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河合雅司『未来の年表』:見たくない現実を見る

大窪善人


 

戦争や災害による破局が、突然降りかかる突発事だとすれば、もう一つは、静かにじわじわと忍びよるタイプの破局です。

本書は、人口の減少傾向を原因として、近い将来生じる社会的影響のシミュレーションで、20XX年に何が起こるのか、データにもとづいて論じられています。
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岡本裕一朗『いま世界の哲学者が考えていること』:ポスト・トゥルースと現代思想

大窪善人


いま世界の哲学者が考えていること
岡本 裕一朗
ダイヤモンド社(2016-09-08)

 

トランプ大統領がパリ協定からの離脱を宣言しましたが、その理由は「地球温暖化はでっち上げだ」というもの。毎度おなじみの”トランプ節”です。

トランプ節といえば、大統領就任式の際、写真では明らかにオバマのときの方が多く集まっている聴衆の数を「過去最大」と評し、事実を伝えるメディアを「嘘つき」と罵倒した件が衝撃的でした。
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石渡嶺司『大学の思い出は就活です(苦笑)』:勉強は役に立たないのか?

大窪善人


 
来年度卒業する大学生・院生の就職活動が山場を迎えています。

志望動機や自己PRで就職先にどうアピールするか、多くの就活生にとって悩みどころだと思います。
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