カテゴリー別アーカイブ: おすすめの本

堀内進之介『人工知能時代を<善く生きる>技術』

大窪善人

 
スマートフォン、スマート家電、自動運転など、人工知能(AI)の発展が目覚ましい。だが、これらの新しい技術は、私たちの生き方にどのような影響を与えるのか、それが本書のテーマです。
続きを読む

平成とはどういう時代だったのか?

大窪善人


中央公論 2018年 01 月号 [雑誌]

中央公論新社(2017-12-08)

 
平成が終る。今月、政府は平成31年4月に天皇の譲位と改元を行うことを決定しました。
それに伴い、メディアでは平成を振り返る特集を組んでいます。ところで、その年表を見て感じたのは、「平成」という時代が、ひとつのまとまりとしてイメージできにくいということです。30年間のさまざまな事件、出来事を並べても、たんなる羅列というか、なんとなくフラットな印象があるのです。
続きを読む

ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』:聖なる儀礼がむすぶ約束

大窪善人


魔法使いの嫁 3 (コミックブレイド)
ヤマザキコレ
マッグガーデン()

 
“儀礼”とは、単なる飾り付けではなく、人と人ととを結びつける連帯の核である。こう主張したのは、フランスの社会学者 E.デュルケームです。
しかし、なぜ儀礼が重要なのでしょうか。

現在、TVアニメ放映中のマンガ『魔法使いの嫁』がヒントになります。
続きを読む

G・バタイユ『魔法使いの弟子』

大窪善人


魔法使いの弟子
ジョルジュ バタイユ
景文館書店(2015-11-15)

 
「魔法使いの弟子」は、フランスの作曲家 ポール・デュカスの管弦楽曲。
ある日、雑用を言いつけられた魔法使いの弟子が、師匠のいぬまに水汲みの仕事をさせようと、ほうきに魔法をかける。しかし、見習いは魔法を解く呪文を知らなかったので、部屋はみるみる水であふれて大惨事。そこへ魔法使いが戻ってきて、辛くも救い出された。

バタイユは、恋愛について書いたこの本に〈魔法使いの弟子〉と名づけます。でも、どうしてなのでしょうか?
続きを読む

大澤真幸『憎悪と愛の哲学』:敵が友になるとき

大窪善人


憎悪と愛の哲学 (角川学芸出版単行本)
大澤 真幸
KADOKAWA / 角川学芸出版(2017-09-22)

 

愛と憎悪は別のものではない、むしろ、「憎しみがあるからこそ愛がある」。たびたび小説や映画などで描かれるテーマです。むしろ、陳腐と言ってもよいでしょう。が、なぜそうなのか。なぜ、”愛”が正反対の”憎しみ”でもあるのか、理由はよく分かりません。
このパラドックスへの理論的な解答にチャレンジするのが、本書です。
続きを読む

マックス・ヴェーバー、カール・シュミット『政治の本質』

大窪善人


政治の本質 (中公文庫プレミアム)
マックス・ヴェーバー
中央公論新社(2017-10-20)

 
本書は、古典的名著であるヴェーバー『職業としての政治』とシュミット『政治的なものの概念』を1冊にしたものです。
続きを読む

ジョセフ・ヒース『啓蒙思想 2.0』:意志の弱さをコントロールする知恵

大窪善人


啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために
ジョセフ・ヒース
エヌティティ出版(2014-10-24)

 
フェイク・ニュースがメディアを席巻し、安直なメッセージやポピュリズムなど、真実よりも信じたいフィクションがまかり通る現代。
理性による社会の発展を説く、18世紀以来の「啓蒙のプロジェクト」は、すっかり時代遅れになってしまったのでしょうか。

本書は「理性的に考えろ」といった、ありがちな啓蒙書ではありません。近年の認知科学の発展をふまえて、啓蒙のバージョンアップを図っています。
続きを読む

マンフレッド・キューン『カント伝』:じつはオシャレだったカント先生

大窪善人


カント伝
マンフレッド・キューン
春風社(2017-08-09)

 
カントと言えば、『純粋理性批判』をはじめとした重厚な仕事をはじめ、科学論、美学、政治哲学、宗教論など、今なお影響力のある知の巨人です。
しかし、そんな彼も、はじめから偉大な哲学者であったわけではありません。

本書はカントの伝記。この本を読めば、激動の歴史との格闘から紡ぎ出されるスリリングな思索、権威化される以前の、新鮮なカント像が浮かび上がってきます。
続きを読む

河合雅司『未来の年表』:見たくない現実を見る

大窪善人


 

戦争や災害による破局が、突然降りかかる突発事だとすれば、もう一つは、静かにじわじわと忍びよるタイプの破局です。

本書は、人口の減少傾向を原因として、近い将来生じる社会的影響のシミュレーションで、20XX年に何が起こるのか、データにもとづいて論じられています。
続きを読む