西尾維新『猫物語(白)』の書評です。
【告知】 第5回 京アカゼミ「ハンナ・アーレント入門」開催!
京都アカデメイアの会員が、毎回、自身の専門分野について発表するイベント「京アカゼミ」。
第5回は、「ハンナ・アーレント入門」。近著『アーレントのマルクス』を刊行された、百木漠さんが担当いたします。
日時:2018年8月16日(木)15時〜17時30分
場所:京都市左京西部いきいき市民活動センター会議室4
※参加無料・予約不要
報告者紹介:百木漠(ももき ばく) 1982年生まれ。京都大学人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。2018年4月から立命館大学専門研究員。
本企画に関するお問い合わせ等については、お問い合わせフォームまたはkyotoacademeia□gmail.com(□に@を入れてください) までお尋ねください。
これまでの内容はこちら
第4回 アジールの現在と未来/舟木徹男
第3回 別れはなぜ在るのか:『別れの社会学』序説(あるいはその構想)/中森弘樹
第2回 精神分析から見る現代の知のあり方/浅野直樹
第1回 瀬木比呂志の裁判学:いわゆる「絶望の裁判所」論をめぐって/岡室悠介
百木漠「アーレント「政治における嘘」論から考える公文書問題」
「現代思想」に掲載されている百木漠さんの論考を読んだので、ご紹介したいと思います。
*
連日ニュースで報じられた森友・加計学園の文書改ざん、南スーダンPKOの日報隠蔽をはじめ、ここ数年、日本の公文書管理がいかにお粗末なものだったかが露呈しました。
民主政治の原則としては、国政が主権者=国民の信託である以上、政府の行動は原則公開され、チェック可能である必要があります。そして、公文書が、その貴重な手がかりとなる”資源”であることは、言うまでもありません。
今後は、民主主義を健全に機能させるためにも、政治家、官僚は勿論、国民レベルでも公文書管理の重要性を再確認し、適切な運用がされるよう監視していかなければならないでしょう。
伝統的な嘘と現代的な嘘
ところで、筆者は、この公文書問題が、哲学的に深刻な問題をも含んでいると指摘します。では、その問題とはいったい何なのでしょうか?
続きを読む
見田宗介『現代社会はどこに向かうか』:ユートピアは”今ここ”に
「社会学(sociologie)」という学問の命名者は、19世紀の思想家、オーギュスト・コントですが、彼の有名なことば、「予見せんがために見る」には、「進歩」や「成長」の名の下に、ダイナミックに変動する”近代”という新しい時代が、一体どこへ向かうのかという切実な問いが込められていました。
それから2世紀後の問いとは、”近代の運動が行き着くところまで行き着いた現代社会が、これからどこへ向かうのか”、ということです。
続きを読む
映画『万引き家族』:救いを必要としているのは”私たち”だ
西尾維新『猫物語(黒)』書評
【イベント告知】『シン・ゴジラ』で読み解く「平成」という時代
直前ですが、明日 京都市 左京西部いきいき市民活動センターにてイベントを開催します。テーマは「平成」。平成という時代について、映画『シン・ゴジラ』をヒントに考えます。(大窪)
<私達にとって平成とはどのような時代だったのか。『シン・ゴジラ』に秘められた謎を読み解くことで、平成、そして、次の時代を展望します。>
日時 : 6月2日(土)13:15〜14:45
場所 : 京都市左京西部いきいき市民活動センター
報告者:大窪善人
※参加費無料
西尾維新『偽物語(下)』書評
西尾維新『偽物語(上)』書評
守田敏也さん講演「内部被曝からの命の守り方」
日時:2018年5月12日(土) 3:30 ~ 6:00
場所:左京西部いきいき市民活動センター(京阪出町柳駅5分)
参加費:無料(カンパ制)
NPO法人京都アカデメイアでは、この度ジャーナリストの守田敏也さんをお迎えし、内部被曝の実相と被曝防護の方法について講演していただく運びとなりました。福島原発事故から七年経過した現在、改めて内部被曝の危険について認識を深められるよい機会です。多数のご参加をお待ちしています!
【守田敏也さんprofile】
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続けながら、社会的共通資本に関する研究を進めておられます。著書に『内部被曝』(矢ケ崎克馬氏との共著、岩波ブックレット2012年)『原発からの命の守り方』(海象社2015年)。
【守田さんからのメッセージ】
「福島原発事故以降、福島は言うに及ばず、東北、関東、東京でもさまざまに深刻な被曝影響が出ています。ところが政府もマスコミもほとんどそれを取り上げず、多くの事実が隠されたまま。実はこれは広島・長崎への原爆投下から今日まで続けられてきたことです。隠されて来た被曝をめぐる真実、とくに内部被曝の実相と、被曝防護の真の方途に迫ります!」