カテゴリー別アーカイブ: レビュー

アニメ『けものフレンズ』:動物から人間へ?

大窪善人

1月に放送がスタートしたアニメ『けものフレンズ』が話題です。

このアニメは、動物がヒトの姿(萌えキャラ)になって暮らしている巨大動物園「ジャパリパーク」を舞台にした作品です。

巷では「IQが下がるアニメ」「すごーい!」「たのしー!」「 おもしろーい!」などのワードが飛び交っていますが、しかし「人間」とは何なのかという哲学的な問いを考える上で啓発的です。
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映画『パシフィック・リム』:グローバル資本主義という怪獣

大窪善人


パシフィック・リム [Blu-ray]

ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント(2014-07-09)

 

トランプ新大統領がTPP「永久離脱」の命令書にサインしました。

報道によれば、これにより米国は二国間の自由貿易協定(FTA)に軸足を移すということです。貿易交渉は従来の枠組みに戻るということで、TPP(環太平洋パートナーシップ)の構想が大きく後退するのはまちがいないでしょう。

ところで先日、映画『パシフィック・リム』(2013年公開)をDVDで観たのですが、現在の状況に即して考えると色々と予見的な内容でした。
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要塞戦とパルチザン:大学をめぐる状況

大窪善人


 

ラテン語のintra muros(イントラ・ムロス=城壁の内側)という単語にはもうひとつ「大学の構内」という意味もあります。しかし、大学の由来を考えると「大学」と「城壁」とが結びつくのは少し不思議です。
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今年のまとめ:真理以後の時代?

大窪善人

AFP 2016/ JIM WATSON

今年は重大ニュースが目白押しの一年でした。アメリカ・トランプ大統領の選出やイギリスのEU離脱などは世界を驚かせました。

イギリス・オックスフォード辞書は今年一年を表す言葉として「ポスト真理(post-truth)」というものを選びました。

要は、客観的事実にもとづく理性的な議論はどうでもよく、ウソでもいいから人々の感情に訴えた者が勝利すると。その背景にはテレビ・新聞などの旧来のマスメディアが衰退する中で、SNS上でのワンフレーズ的コミュニケーションの広がりもあるのでしょう。

ところで、だとするとなぜ真理を擁護しなければならないのでしょう。なぜ感情よりも真理にこだわる必要があるのでしょう。「ポスト真理」ではいけない理由は何なのでしょうか。
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太田省一『芸人最強社会ニッポン』:面白ければ何でもOK?

大窪善人


芸人最強社会ニッポン (朝日新書)
太田 省一
朝日新聞出版(2016-08-10)

 
気がつけば、どのテレビ番組も芸人・タレントだらけ。バラエティーはもちろんお堅い教養・情報番組まで、十数年前までは考えられないほど芸人の露出が増えています。なぜこれほど芸人が重宝されるようになったのでしょうか。
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永遠平和のために⑤:許される悪とその敵

大窪善人

20160910152732
 

今年8月に公開されたDCコミックス・シリーズ原作の映画「スーサイド・スクワッド」。このシリーズにはスーパーマンやバットマン、ワンダーウーマンなど「メタヒューマン」と呼ばれる超人的な能力を持った人物たちが登場します。
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