人類の歴史は、戦争の歴史であるとも言われます。では、「戦争」とは何なのか。どんな戦争もそれ自体”悪”なのか。それとも、戦争には”正しい戦争”と”間違った戦争”とがあるのか…。
本書は、ドイツの憲法学者・政治学者であるシュミットの書(1963年)です。パルチザンという新しい戦闘形態の考察を通じて、戦争観の歴史的な変遷が浮かび上がってきます。
先日の記事でも紹介しましたが、宗教者や宗教団体が、原発や憲法などの、公共的な問題について発言する機会が増えてきているような印象を受けます。
たとえば、
九州電力川内原子力発電所の再稼動に関する声明-いのちは生きる場所を失っては生きられない/東本願寺
公明党の支持母体である創価学会でも政治的な声が高まっているということで大きなニュースになりました。
公明党“板挟み” 首相の70年談話で創価学会「安保反対」が加速/日刊ゲンダイ
さて、さしあたりこのエントリで考えたいことは、それぞれの政治的な争点の中身ではなくて(それぞれの立場からさまざまな意見があると思います)、宗教者や団体が公共的な意見を表明することの意味についてです。
宗教者はときとして、市民というよりむしろ”宗教者”として公共圏に現れることがあります。その場合、彼(女)は、自分が持っている宗教心や信仰にもとづいた意見を求められることになります。そこでポイントになるのは、宗教的な信仰から、それぞれのテーマに対する”主張”と”理由”を提示できるかどうか、です。
お寺や仏教のポピュラーなイメージといえば、お葬式や年末の除夜の鐘、あるいは仏像などの美術品なのではないでしょうか。
他方で、社会や政治のような公共的な問題にはあまりタッチしないという印象もあります。
この本は、2013年に京都 本願寺で開催されたイベントとテーマごとの論考をまとめたものです。他の白熱教室と違う特徴は、議論の参加者のほとんどが僧侶だということです。
「8月15日の終戦の日がお盆の日と一致してるって出来過ぎじゃないか。」
たしかに、あらためて言われてみると不思議な感じもします。
本書はメディア史研究の視点からその謎を解き明かしています。
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しかし、ここにはもう一段深い問いが含まれているように思われます。それを理解するには、フーコーの議論が手がかりになります。
大窪善人
<最新版アップしました>
社会学入門書 2017年アップデート版
ゴールデンウィークも終わって大学の授業もいよいよ本題に入ってきたところですね。
今回は社会学の必読本や役に立つ本をあげていこうと思います。
「やわらかアカデミズム・〈わかる〉」シリーズの社会学の巻。見開き1ページで1つのトピックを説明していて、週刊誌サイズの本で楽しく学べます。
社会学についての基本的な解説から、家族、地域、メディア、アイデンティティなどの各分野についてまとめられいるので、社会学の大づかみのイメージを得るのに最適です。 続きを読む